日本は環境NGOから「化石賞」を贈られるなど、不名誉な扱いをされることがあります。
かたや、ドイツは「環境先進国」などと持ち上げられたりしています。
気候変動対策で最も重要視されているものが、二酸化炭素(CO2)の排出量です。日本とドイツではCO2対策に関してどんな違いがあるのでしょうか?
■日本とドイツの年間CO2排出量
日本:11億4,900万トン(2020年度)
※出典:国立環境研究所
人口一人当たりでは9.16トンです。
ドイツ:7億3,900万トン(2020年)
※出典:Umwelt Bundesamt
人口一人当たりでは8.78トンです。
2020年時点で、日本はドイツの約1.5倍のCO2を排出しています。
ただし、人口一人当たり排出量ではさほど変わりません。
■日本のCO2排出シェア
それでは、日本のCO2はどんなところから発生しているのでしょうか?
エネルギー:40%
製造業: 24%
運輸: 17%
その他: 7%
業務: 6%
家庭: 5%
エネルギー由来のCO2が最も多く、二番目に製造業、三番目に運輸と続きます。
■ドイツのCO2排出シェア
エネルギー:30%
製造業: 24%
運輸: 20%
建物: 16%
その他: 10%
ドイツも、エネルギー由来のCO2が最も多いです。
次に、エネルギー=電力とみなし、電力の製造方法の内訳を見てみましょう。
※広義のエネルギーには、熱や運輸燃料なども含まれる。
■日本の電力の内訳
LNG: 35%
石炭: 28%
その他火力:12%
太陽光: 9%
水力: 8%
原子力: 4%
バイオマス: 3%
風力: 1%
日本では火力発電が合計75%と、大半を占めています。
かたや、再生可能エネルギーは20%です。
■ドイツの電力の内訳
風力: 27%
褐炭: 17%
原子力: 13%
LNG: 12%
太陽光: 10%
バイオマス:9%
石炭: 7%
水力: 4%
ドイツでは再生可能エネルギーは50%、火力発電は36%です。
■日本とドイツの違い
日本では火力発電が多く、ドイツでは再生可能エネルギーが多い。
日本とドイツの違いは上記一行に集約されます。
それでは、なぜその差が生まれたのでしょうか?原因としては下記の点が考えられます。
(各記事に続きます)
2)再生可能エネルギーを導入し始めた時期の違い
3)送電線の違い
4)電力市場の違い
5)政策の違い
6)その他
※アイキャッチ画像:Andrew MartinによるPixabayからの画像