戸建住宅の登記簿は何度か取得したことがあったが、マンションの登記簿は取得した経験がなかった。
試しにマンション登記簿を取得してみたので、図解つきで記録を残しておく。
1)法務局のページにアクセス
登記簿情報提供サービスのページに行ったら、画面右の方にある「登記情報を請求する」というボタンを押す。
IDとパスワードを入力。初めてサービスを利用する場合は、利用者登録を先におこなう必要がある。
利用者登録の方法には「一時利用」と「個人利用」の二種類がある。
「一時利用」には、
- 申込み後すぐに利用可能(「個人利用」では利用開始まで約一週間必要)
- 登録費が掛からない(「個人利用」では300円必要)
- 月に3万円以上の利用ができない(3Dセキュアのカードを除く)
- 登記情報の一括請求ができない
- ログアウトまたはセッション切れの後、再度ログインしても登記の請求ができない
このような特徴がある。
「一時利用」と「個人利用」の違いを、以下の表にまとめる。
一時利用 | 個人利用 | |
---|---|---|
メ リ ッ ト |
・申込直後に利用可 ・登録費無料 |
・一括請求可 ・ログアウト後、再度ログインして登記簿の取得可(再取得は3営業日後まで可) |
デ メ リ ッ ト |
・月3万円以上の利用不可 ・一括請求不可 ・ログアウト後、再度ログインしても登記簿の取得不可 |
・登録に一週間必要 ・登録費300円 |
「一度だけ使ってみたい」という人は「一時利用」。
「繰り返し使いたい」という人は「個人利用」すると便利。
「一時利用」「個人利用」ともに年会費・月会費は不要。
申し込み方法については、以下法務局のサイトを参考に。
「一時利用」の申し込み方法はこちら|法務局
「個人利用」の申し込み方法はこちら|法務局
利用登録完了後、ログインすると下記のような画面になる。
「不動産請求」というリンクをクリック。
調べたい不動産の情報を入力する画面になる。
ここで入力する「地番」は、郵便で用いられる「住居表示」とは別の番号。
チラシに載っている不動産の住所が「地番」なのか「住居表示」なのかについては、不動産会社へ確認が必要。
「地番」が分からない場合、「地番検索サービス」からも調べられる。
「地番検索サービス」をクリックすると別ウィンドウが開く。
「サービス利用規約」下の「規約に同意します」にチェックを入れ、「同意します」ボタンをクリック。
住所絞込みが完了すると、該当の不動産が画面右の地図に表示される。
青字で表示されている番号が、「地番」になる。
上記例では「411-1」の部分。
しかしマンションの登記簿を調べたい場合、ここで一つ問題が発生する。
同じ地番に二つの建物がある場合、地番だけでは建物を絞り込むことができない。
また、分譲マンションの場合は、部屋番号ごとに「家屋番号」が異なる。
分譲マンションの部屋ごとの所有者情報を知りたい場合は「家屋番号」が必要になる。
ちなみに、上記右側の空白の建物は個人名義の建物。
家屋番号を調べるにはどうすればよいか?
管轄の法務局に直接電話して確認する必要がある。
オンライン登記簿申請のトップページの、一番下の方に「法務局」へのリンクがある。
「法務局」へのリンクをクリック。
「管轄のご案内」をクリック。
調べようと思っている不動産を管轄している法務局を探す。
ここでは例として、東京法務局を開いてみる。
「案内図」をクリック。
画面の下の方に、「不動産登記に関するお問合せ」という箇所があり、電話番号が記載されている。
この電話番号に電話をして、家屋番号を問い合わせる。
「不動産の地番と家屋番号を知りたいのですが、教えていただけますか?
●●県●●市●●町、××マンション〇〇〇号室です。」
のように訊けば、法務局の担当者が家屋番号を教えてくれる。
家屋番号が分かったら、オンライン登記簿の画面に情報を入力していく。
- 「建物」を選択。
- 都道府県を選択。
- 「所在選択」ボタンをクリックして、住所(「〇〇市~〇丁目」まで)を選択。
- 住所を選択すると、「〇〇市~〇丁目」までの情報が自動的に入力される。
- 電話で聞いた地番と家屋番号を入力します。この欄はなぜか全角入力が必要。
(例:1-123) - 初期設定では「全部事項」にしかチェックが入っていない。ここでは試しに「所有者事項」にもチェックを入れている。
「全部事項」は337円だが、「所有者事項」は一通147円。
所有者の住所と名前だけを知りたいのであれば、「所有者事項」だけを請求すると安く済む。 - 「確定」ボタンを押す。
画面右下の「請求」ボタンをクリック。
全部事項が不要で所有者事項だけ必要な場合、全部事項のチェックは外す。
「ステータス」が「取得中」(1の箇所)になっている行があれば、画面右上の「最新表示」というボタン(2の箇所)を押す。
「ステータス」が全て「請求済」に変わる。
右下の「表示・保存」ボタンを押す。
ちなみに、「表示・保存」ボタンの左となりにある、「請求」ボタンを押してしまうと警告画面が出る。お金を無駄に払う必要はない。警告画面が出たら「キャンセル」を押そう。「表示・保存」を押すと、圧縮ファイルがダウンロードされる。
解凍すると、中にPDFファイルが入っている。
「全部事項」の表示例。
一番下の行の所有者が、現在の所有者。
住所と名前が書いてある。
「所有者事項」の表示例。
所有者の住所と名前が書いてある。
ちなみに、この「オンライン登記簿」には、「平日の午前8時30分から午後9時まで」という、謎の営業時間が設定されている。
法務局のデータベースは、手動で電源を切ったり入れたりでもしているのだろうか。
なお上記とは別に、メンテナンスで使用不可能な時間帯も存在している。
営業時間が短いのだから、営業時間外でシステムメンテナンスすればいいのにと思ってしまうが、実は複雑なシステムなのかもしれない。
オンライン登記簿サービスが使えない時は、メンテナンス情報も要チェック。
以上、インターネットでマンションの登記簿を請求する方法についてお伝えした。