IT重説導入は不動産業界への業務改善要求

以前、「IT重説で不動産会社の二極化が進む」という記事を書いた。
関連して今回は、IT重説が普及すれば宅地建物取引士自体不要になるのではないか、という妄想。

IT重説が進めば宅地建物取引士も不要に

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※出展:festy

IT重説がさらに進めば、重要事項説明を行う宅地建物取引士(以下、「取引士」)も不要になるかもしれない。

PCやスマートフォンの画面上で重要事項説明が完了できるのであれば、対話相手はプログラムやロボットや人工知能でもかまわないからだ。

「○○について理解できましたか?YES または NO」
という質問を画面に表示して、利用者に YES または NO をクリックしてもらえば、利用者の理解状況を把握することは可能だ。

利用者が本当に理解しているかどうかについては、
「それでは、●●●●についての質問です。以下の選択肢から正解を選んでください。」
というクイズでも出しておけばいいのではないだろうか。

利用者にとって理解が難しかった項目だけ、チャットを通じて質問してもらい、コールセンターのオペレーターが回答するという方法も考えられる。

IT重説で起きる二つの変化

IT重説は、

  1. 不動産会社の二極化
  2. 法規制の変化

という二つの変化を不動産業界にもたらすに違いない。
不動産取引に関わる法律は時代に合わせて常に変わってきた。今後もその流れは続いていくだろう。

「専任の」取引士という制約は時代に合っていない

個人的には、「宅建業者の事務所には専任の取引士を置かなければいけない」という規定は時代遅れだと思う。

理由は、「専任」=「フルタイム(週5日勤務)の正社員」という働き方が既に時代に合っていないからだ。

先日、週休3日制の検討を始めた会社のニュースが報道された。

ソフトバンクグループ傘下のIT大手ヤフーが、働き方の見直しを推し進めるため、全従業員約5800人を対象に週休3日制の導入を検討している。
働き方の多様化に対応し、優秀な人材を確保するのが狙いで、数年内の実現を目指す。

※出展:毎日新聞

労働人口が減っていく状況で売上や利益を保つためには、労働生産性を向上させる必要がある。労働生産性を向上させるめには、労働時間を減らして、利益率を高めなければいけない。

新しい時代が求めているのは、少ない労働時間で多くの利益を上げることのできる、生産性の高い働き手だ。ところが生産性の高い働き手は、従来の正社員のような週40時間以上拘束される働き方を求めていない。

生産性の高い働き手を確保するためには、宅建業法の「専任の取引士」という規定は足かせとなっている。

IT重説は不動産業界への業務改善要求

「専任」という規定を取り払い兼任を認めたとしても、大きな問題が一つある。その問題とは、不動産業界の業務量の多さだ。

複数の不動産会社を兼任する取引士が、一つ一つの取引に目を光らせ、さらに責任を持つことができるのか?という懸念が残ってしまう。

この問題を解決するためには、不要な業務を見直したり、業務効率を上げたりすることが必要となる。

結局のところIT重説は、少ない人数で多くの業務量を回していくための一つの手段として導入されようとしているのだ。
政府がIT重説を推進している理由として「労働生産性の向上」を掲げていることからも、そう考えられる。

(IT重説検証検討会の中川雅之座長)
効率性、それから生産性、それと消費者の安全性を調和させるということが非常に重要なテーマ。

不動産政策だけではなくて、日本の政策の企画立案を考えるに当たっても、非常に重要。

※出展:国土交通省

不動産業界は政府から名指しで、
「お前らの業界、仕事の段取りが遅いから俺らが手伝ってやるよ」
と言われているのだ。

「余計なお世話だ!」と言い返せるよう、業界を挙げて非効率な体制を改善していく必要があるだろう。

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