貯蓄額が増えてるらしいです。
60歳以上は2000万円以上の貯蓄があり、50歳未満では借金のほうが多い、とのことです。一方で、
「何にお金を使ったらいいか分からない」という悩みを持つ人もいます。
後者の記事(匿名ダイアリー)についていた数多くのコメントの中で、私が共感したのは「他人や公共に使え」というものです。
金を自分の事にしか使えないから、金の使い道がわからないのだ。
はてな匿名ダイアリー
他人や公共に使えよ。
文化や芸術などお金がかかることに寄付すると良い。
芸術文化振興基金みたいな規模の大きいところで感覚が掴めないなら、住んでる地域の何らかの寄付金でもいい。
あるいは保育園等教育への寄付もある。盲導犬の育成への寄付もある。
この「他人にお金を使う」方法は、難易度が高い方法でもあります。なぜなら、他人にお金を使うためには、他人を信用する必要があるからです。
■他人を信用できない社会
経済が停滞する理由の一つとして、
「他人を信用できないこと」
があります。
- 政府を信用できない。
- 社会保障を信用できない。
- 会社を信用できない。
- お客を信用できない。
- 家族を信用できない。
上記の理由から、みんななるべくお金を使わなくなっています。
信用できるのは自分だけ。
信用できるのはお金だけ。
こういう発想だと、お金をため込むようになっていきます。お金を使うことができるのは、皮肉にもその政府や他人のおかげでもあるのですが。
■他人のためにお金を使う
かくいう私も、他人のために湯水のようにお金を使うほどの余裕はありません。
ただ、少額ながらも寄付は継続しており、自分以外のためにお金を使うことには価値があるとも感じています。
例えば、実家に住んでいる子どもが実家にお金を入れる場合を考えてみます。
親にお金を渡すことで一時的に貯金は減るかもしれませんが、
- 親の負担を減らしているという自己満足感。
- 自立しているという誇り(幻想ともいう)。
- 親が自分に感謝してくれているだろう、という思い込み。
こういったお金に換算しにくい効用は発生しています。
それに家計というくくりで考えれば、自分の口座から家計の口座にお金が移動しただけで、全体としてのお金は減っていません。
誰かへのプレゼントでも原理は同じです。
プレゼントした側は、
- 「相手が喜んでくれるだろう」という期待。
- 「相手への気遣いができる自分、えらい!」という自己陶酔感。
これらの満足感を得ることができます。プレゼントをもらった側が迷惑に思っている可能性は、この際排除します。
商売をしていて、お客さんのためにお金を使う場合にも同じような仕組みが働きます。
設備投資などでお金を使うと一時的にはマイナスですが、長い目で見れば
- お客さんの満足度向上。
- 商品の評判の向上。
などを通じて、継続的な売上につながる可能性があります。
NPOなど公共団体への寄付でも同様です。
適切な寄付対象を探すのは面倒ですが、同時に
「こんなに多くの団体が世のため人のために活動しているのか!」
と、新しい世界を発見したような驚きが得られます。
■他人を信じるには自分を信じることも必要
他人にお金を使ったところで、何かが返ってくるかどうかは運次第です。
最終的には、
「返ってこなくてもいいか。また稼げばいいし」
と思えるかどうかであり、自分を信じられるかどうかにかかっています。
※アイキャッチ画像:Ylanite KoppensによるPixabayからの画像