元・金融関係者が書いた「お金のむこうに人がいる」を読みました。
本書でいちばん心に残ったのは以下の部分でした。
現代の日本では、地域社会に子育てを負担してもらえることが少なくなった。そして、社会は子育てに協力的どころか寛容さを失っている。
最終話 未来のために、お金を増やす意味はあるのか?
小さい子供を連れて外出する時の周りの目は厳しい。たまに温かい目を向けられた時に、とてもありがたいと感じる。子供の声がうるさいという理由で、公園の使用が制限されることもある。土地の資産価値が下がるという理由で、子育て支援施設の建設に反対する人々もいる。
それと、本書が最も伝えたいメッセージは
「お金は、他人に働いてもらうための引換券でしかない」
ということだと理解しました。
老後に関して言えば、自分が歳をとった時に自分のために働いてくれる人(≒若い人たち)がいなければ、いくらお金を貯めていても意味がありません。
■少子化・人口減少が根本的な問題
少子化は数年で改善できる問題ではありません。
当面の解決策は、
「働ける人は死ぬまで働く」
または
「体と頭が動く限りは働く」
しかないのでしょう。
「働ける人が働けない人の面倒を見る」
が人間社会の仕組みというか倫理のようなものですが、
「働けない人」=「65歳以上の全員(※)」
という考えには無理があります。
※ 国連の世界保健機関(WHO)の定義では、65歳以上の人のことを高齢者としています。
e-ヘルスネット
65-74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と呼びます。
■高齢者が「幸せに」働くにはどうしたらいい?
企業の定年制に関しては以下のような調査結果が出ています。
・65歳まで働ける企業は99.9%
厚生労働省
・65歳定年企業は18.4%
・70歳以上でも働ける企業は31.5%
働こうと思えば働ける環境は整ってきていると言えます。
ただ、死を間近に感じた時に、
「今までと同じ仕事を続けていていいのだろうか?」
という疑問を抱く人も多いのではないでしょうか。
贅沢な悩みですが、自己実現という視点で考えた場合、会社からお荷物と思われるような待遇で死ぬ直前まで働くことが果たして幸せなのかどうか。
本当に自分のやりたい仕事は何なのか?
どんな生き方をしたいのか?
それを実現するためにはどんな準備が必要なのか?
理想の生き方・死に様を突き通すために必要なお金をどうやって稼ぐか?
中年にとって、考えなければいけないことは山積みです。