SF小説「三体」の時系列年表

読書

◼️「三体」を読み終えた

中国人作家・劉慈欣によるSF小説の第三巻(最終巻)「Death’s End(死神永生)」を読みました。

前二巻以上に面白く、読みごたえのある内容でした。

◼️「三体」の魅力とは?

私が「三体」に魅了された要因の一つとして、登場する数々の「兵器」を挙げることができます。

(以下、ネタバレを含みます)

四次元を利用して敵の船を内部から破壊したり、二次元兵器で恒星系を消滅させたり、光速を操作することで脱出不可能な空間を作り出したり、などなど。
作者の発想力の豊かさには驚愕するばかりです。

他にも、主人公と相手側の心理的駆け引きや、一瞬で有利・不利が逆転するストーリー展開など、まるでバトル漫画やサスペンスドラマを見ているかのようなエンターテインメント性もあります。

登場する人物たちも魅力にあふれています。
まったくのダメ人間から、人類の守護者かつ三体世界の天敵へと大成長したルオ・ジー。
冷血な狂人であると同時に、人類の存続を誰よりも願い、光速推進機関の開発に成功したトーマス・ウェイド。
学生時代の憧れの女性に大金をはたいてプレゼントを贈るも相手にされず、脳味噌を摘出されて宇宙の果てに飛ばされるという、地獄のような目にあうユン・ティアンミン。
彼らはほんの一部ですが、たくさんの個性的な登場人物たちが本作を盛り上げてくれています。

◼️本書のメッセージ

本書から私が感じたメッセージは、

・科学と個人への信頼

です。
特に、作者の「科学」への信頼感には揺るぎないものがあり、それは「傲慢」と言っても差し支えないレベルです。

第三巻では、主人公が数百年の時をほとんど歳を取らずに越えていきます(冷凍睡眠フル活用)。主人公は最終的には100万年〜数億年を生きることになります。ストーリーの時間単位が人間の一生をはるかに超えていることもあり、やむを得ない演出だとは思います。それにしても、1人の人物に力や責任が集中しすぎて精神的に耐えられないのでは?とも思いました。

他にも、
100万を超える文明が100億年以上存続して、

宇宙の終焉と誕生を乗り越えて、

さらに新しい宇宙で暮らし始める。
という超展開もあります。ビバ!科学!といった感じです。

見方を変えれば、科学に対して絶大な信頼を持っているからこそ、作者は本書のようなSF超大作を書き上げることができたのでしょう。

◼️年表

全三巻の中でも第三巻は、最も長い時間軸で展開します。いつの時代に何があったのか、私は分からなくなることが多かったので、各時代の概要を年表にまとめました。

「三体」の前二巻についても以下の記事で感想を書いています。

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