前回の記事の続きです。
理想の老後の住まいにかかる費用について、賃貸と持ち家を組み合わせた2パターンを計算します。
◼️パターンA:現役期は賃貸 → 定年後は持ち家
【現役期】
現役期は賃貸に住むことにします。
計算しやすいように家賃を10万円として、定年(60歳)までの約20年間住み続けます(10万×12か月=年120万)。
引越しを3回行い(30万円×3)、更新料を6回(10万円×6)払ったことにします。
期間は40歳〜60歳の20年間です。
現役期に発生する住宅費は2,550万円になります。
【定年後】
定年後は持ち家に住むことにします。
もはや通勤を考慮する必要がないので、最寄り駅までバス利用の郊外にある中古マンションを購入します。リフォームもします。住宅ローンは使いません。
初期費用:物件価格1000万+リフォーム費200万円+諸費用100万円=1,300万円。
維持費用:固定資産税10万+火災保険2万+管理費等36万=48万円/年。
管理費等には設備の修理費なども含みます。
期間は60歳〜85歳の25年間です。
定年後に発生する住宅費は2,500万円になります。
パターンAの住宅費を合計すると、5,050万円です。
◼️パターンB:現役期は持ち家 → 定年後も持ち家
【現役期】
現役期から持ち家に住むことにします。
家賃10万円相当の中古物件価格を2,500万円と、雑に想定します。リフォームもします。
頭金を300万、残りの2,200万円を住宅ローンでまかないます。金利は2%、20年固定、20年返済とします。
初期費用:頭金300万+リフォーム費200万円+諸費用250万円=750万円。
維持費用:借金返済135万+固定資産税10万+火災保険2万+管理費等36万=183万円/年。
期間は40歳〜60歳の20年間です。
現役期に発生する住宅費は、4,410万円になります。
【定年後】
現役期に購入した持ち家に定年後も住み続けることにします。
老朽化を考慮して設備補修費を計上します。
設備補修費:200万円。
維持費用:固定資産税10万+火災保険2万+管理費等36万=48万円/年。
期間は60歳〜85歳の25年間です。
定年後に発生する住宅費は、1,400万円になります。
パターンBの住宅費を合計すると、5,810万円です。
◼️パターンAが性に合っている気がする
パターンA(現役期は賃貸 → 定年後は持ち家)の方が費用的には約800万円安く、現役期の引越しの自由も確保できる想定になりました。
ちなみにパターンBは45年間同じ家に住み続ける想定ですが、購入時点で中古の家にそんなにも長い間住み続けられるかは不明です。
とはいえ、パターンAでも定年後同じ家に25年間住み続けることになりますが。
※自分用メモ:
物件価格や諸費用はざっくりと決めた。住宅ローン減税なども計算に含めていないので正確な試算とは限らない。
住宅ローンシミュレーションには、みずほ銀行のシミュレーターを使用した。
85歳〜90歳を終末期として扱う(90歳で死亡)。
全パターンで介護施設入居とするため、終末期の住宅費用は計算には含めていない。
(参考)介護施設の一般的な初期費用:300万円、月額費用:15万円(年額180万円)。
◼️最初から「郊外の中古マンション」を買うのが一番お得だが…
初めから「最寄り駅までバス利用の郊外にある中古マンションを購入」して45年住むと、費用的には一番安くなります(3,720万)。
しかしその場合、満員電車の長時間通勤に20年間も耐えなければいけません。転職・転勤・家族構成の変化の可能性などを考えると、現役期は賃貸の方が身軽でよさそうです。中古マンションに45年間も住めるかという問題もあるので、途中で買い換えの必要性も出てくるでしょう。
個人的にはパターンA(現役期は賃貸 → 定年後は持ち家)がいちばん性に合っている気がします。
定年までに現金を貯めておく必要があるなぁ、とか、老後計画について妻と話し合っておいた方がいいなぁ、とか、いろいろ考えるよい機会になりました。