「家なんて200%買ってはいけない!資産価値ゼロ」という記事は不動産投資家にとってはプラス材料

不動産経営

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「家なんて200%買ってはいけない!資産価値ゼロ」という煽りっぽいタイトルが気になってクリックしてみました。思ったよりきちんとした内容でした。

語り手の上念司氏について

この記事の語り手の上念さんはリフレ派(※1)の特攻隊長(※2)のような人で、議論した相手を原形を留めないほどに破壊するアグレッシブな経済評論家です。
※1:リフレ派とは、不況に対するインフレ誘導政策の有効性を説く経済学者の一派。
※2:特攻隊長とは、抗争の口火を切る役割の血気盛んな人。
※参考:H25/5/2 参院予算委公聴会【公述人意見(財政経済金融)・上念司氏他】|Youtube

「家なんて200%買ってはいけない!」というタイトルから、不動産投資も否定されるのではないかとびくびくしていましたが、どうやら彼が攻撃しているのは、

  • 持ち家信仰
  • 新築を売って儲けるデベロッパー

こういった人たちのようです。

戸建ては築20年で資産価値が(ほぼ)ゼロ

以下、引用します。

新築物件には新築プレミアムが乗っているため、入居した翌日には2割ぐらい値下がりします。戸建ては築20年で資産価値がゼロになります。どんなにリフォームをしても資産価値はゼロです。持家派の考えや不動産業者の言い分は「家賃を払い続けても何も残らないが、ローンなら資産が残る」という主旨ですが、現実には資産として残りません。

 もちろん、ローンで買った家を人に貸して賃料で稼いで、20年経って資産価値がゼロになった時点で自分が住んで相続税をゼロで済ませる、というような賢いことをするなら問題ありません。

※出展:Yahooニュース

上念氏が「資産価値がゼロ」と言っているのは木造の戸建の建物部分のことと思われます。木造の減価償却期間は22年です。建物の価値がゼロになっても土地の資産価値は残ります。
将来的に日本全体の土地価格は下がっていくと予想されているので、上念氏はあえて強調して「ゼロ」と言っているようです。

永遠の戦い「賃貸 VS 持ち家」

――ローンと家賃の支払いを比較すると、どちらのほうが少なくて済むのですか。
上念 (中略)
金利が1.7%になると購入と賃貸の支出がほぼ同額になりますが、購入の場合はローン手数料、売買仲介料、各種保険代などで400~500万円が上乗せされます。しかも、マンションの修繕積立金は、大規模な修繕が発生すれば値上がりする可能性があります。
戸建てなら修繕積立金はありませんが、それでも通常の維持費や老朽化した時にリフォーム費用がかかります。
つまり家を買うほうが支払総額が大きい上に、資産がゼロになってしまう

「不動産はガラクタ同然?」という記事でも触れたことがありますが、2000万円の家を35年ローンで買った場合と、家賃85,000円の賃貸住宅に35年住み続けた場合とでは、総支出額はほぼ同じです。
ローンの支払いが終わった後も持ち家に住み続けるのであれば、家賃が掛からない分、賃貸よりお得になるのは確かです。ただし、外壁や屋根の補修など修繕費を考慮する必要はあります。

借り手天国

以前は「老人には賃貸しない」という大家もいましたが、人口減少の時代に、そんなことをしたら賃貸収入を得られなくなります。これからは、老人でも住むところには困らなくなるでしょう。

確かに、空室率が高まっている状況では貸主もぜいたくは言っていられません。
高齢者だろうが生活保護だろうが、借りてくれる人がいるだけマシと言えるでしょう。

まとめ

「家なんて200%買ってはいけない!」という記事のタイトル通り、家を買う人が減り、賃貸を選ぶ人が増えてくれれば、不動産投資家としてはありがたい話です。

家を買う人が減るということは、需要と供給の法則的には住宅の価格が下がることになります。中古住宅を今より安く仕入れることができるようになります。

賃貸を選ぶ人が増えるということは、入居者を見付けやすくなるということです。需要と供給の法則的には、家賃を高く設定できる可能性が高まります。

そうは言っても、価格差というものはいずれ解消される運命にあります。住宅の価格が下がったり、家賃が高くなれば、「やっぱり持ち家の方がお得だ。」と考える人も増えるでしょう。

投資家や事業主として生き残っていくためには、その時々の経済状況に応じて行動を変えていく必要があるようです。

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