「推しを伝える文章術」で学んだ「面白いものを摂取し続けること」の大切さ

セミナー

2021年6月10日開催、noteの「“推し”の魅力を伝える文章の書き方講座」に参加しました。

文章は考えを伝える手段です。
「好きなものの良さを他人に伝える」ことは、文章を書く上で基本かつ不可欠な技術です。
本講座は、文章を書く上で参考になる内容がてんこ盛りでした。

私の偏見ですが、”推し”という言葉には「気に入っているものを問答無用で称賛する」イメージがありました。
私が間違っていたようです。
この講座を聴いた後では、「好きなものの良さを他人にうまく伝えたい!」という強い想いが”推し”なのだろう、と認識が変わりました。

■講座の要約

講座で出たプレゼンテーション画像を私なりに勝手に再構成しました。
以下、講座内容を備忘録として書き残しておきます。

■講師について

https://note.com/nyake/

池袋、京都、福岡にある「天狼院書店」という書店でアルバイトしていた。
現在は会社員兼書評家。著書に「人生を狂わす名著50」など。

■推しの読み方

大前提:
読み方に正解はないけど、感想を書きやすい読み方はある。
時短。

1)マーキングする
とにかく、
「面白いところ」
「好きなところ」
「違和感のあるところ」
にマークしておく。
いかに細部へのフェチを伝えることができるか、が重要。
細かいフェチは自動的にオリジナルになる。
Googleに載っていないことをプレゼンしたいじゃないですか?
他人の感想を読むとそれに引きずられる。→自分だけがグッと来たところを語った方が面白い。

2)他ジャンルにも手を出しておくと書きやすい
自分の好きなジャンルを他ジャンルの文脈と組み合わせて伝える。
他の有名な作品と比較して語る。

おすすめジャンル:
・海外文学(格調高く見える)
・スポーツ(汎用性がある)
・昔の有名人や有名作品
横展開(同時代の他ジャンル)、縦展開(昔のもの)する。

比較対象を下げたりするわけではなく、共通点を探して書く。
「アレと同じ話で語れるなー」と思えたら、しめたもの。

■推しを伝える書き方

「好きのフィルター」を伝える。
上手い・下手は内容で決まるのではなく、自分の内側を外側に出す度合い次第。内容はなんでもいい。

大前提:
記事単体としても面白くありたい、そのうえで魅力が伝わる文章でありたい。

何かの感想を書く時の手順:
1)書く前にやること
間口を広げたい or 同じジャンルの人に届けたい
どちらなのかを考えておく

導入部は間口を広くした方がよい。中盤で狭くする(その作品を観た人でないと分からない内容を徐々に出していく)。
例)「私たちはなぜ産む性として生まれてきたのか」の一文で記事を始める。

●着地点を決めておく
最も伝えたいポイントを決めておく。
「ここは知ってもらいたいな~」というポイント。
この話がしたいな、というシーンを取捨選択する(2000文字で1シーンくらい)。


2)書き出しを考える
●自分の話は書き出しに有効
自分語りは結論よりも面白い。共感してもらいやすい。

●書き出しで迷ったときは「問い」か「文脈」を探す
例)「ではなぜこの漫画のタイトルは『大奥』なのか?」
読者の興味をそそるための書き出し。
一緒に「なんでかな?」を考えてもらう。

例)『大奥』に連なる縦のライン、横のライン両方を取り上げる。
作者側はわざわざ文脈を語らない。文脈語りは読者にしかできない特権。


3)最後まで書き終える
●あらすじに分量を使いすぎない
あらすじは調べればいくらでも出てくる。

●ありきたりな言い方を避ける
例)いかがでしたか?
「最高」「傑作」「神」とか言いたくなったら、「どういうところが?」と細分化する。

●書けなくなったらその対象を読み返す
大切なことは全て推しが教えてくれる。


4)修正
●好きなポイントが伝わってるか?を確認する。
文章の順番を変える、いらないところを削る、長かったら章に分ける。
別記事や下書きに、削ったものをカット&ペーストしておく。

【一番大切なこと】とにかく!!細かく愛を伝えよう!!

■質疑応答

Q1.自然に伝えるコツは?
→大げさになるのは短い文章で伝えようとするからでは?noteなら細かく長く書けるので、細かく書いてみては。

Q2.自分の感情を表す言葉を探すコツは?
→ありきたりなものを使わない。同じものについて書いている他の人のブログを探す。自分の好きな文章を探してみる。好きな文章は何回も読み返して覚えてしまう。

Q3.読み終わってからすぐに書きますか?
→即書く。何日か置くと億劫になる。

Q4.伝えたい部分がネタバレの場合は?
→ネタバレあり!と書く。こっから先はネタバレ、とか。noteではハッシュタグ「#ネタバレ」を使うと、自動的に文頭に「この文章にはネタバレが含まれます」が表示される。

Q5.思いついたことが頭の中で渋滞する。情報の交通整理をするには?
→とりあえず最後まで書き上げてみる。そのあとで整理する。

Q6.noteもブログもとにかく続けることが大事と思いますが、長く続けるコツってありますか?
→面白いものを常に摂取し続けること。

■終わりに

ちなみにQ6.は私の質問だったのですが、「長く続けるとか続かないとか、考えたこともない・・・」みたいな雰囲気にさせてしまいました(w
答えにくい質問でスイマセン。

別に無理してまで続ける必要はありませんし、意識せずとも続けられることこそが「才能」なのでしょう。

私が「続けることが重要」と思う理由は、色々な人の思考に触れ続けていたい、という気持ちがあるからです。
文章が苦手な人でも、独自の視点や唯一無二の世界を持っています。
「この人面白いなー」と思った人でも、ブログやnoteの更新をやめてしまう人は多く、一つの世界が死滅してしまうような物悲しさがあります。
もちろん、書き続ける・書くのをやめるという選択は個人の自由ですし、書き続けること自体が目的になってしまったら本末転倒です。

私自身のことで言えば、書き続けることで得たものは多いですし、昔に比べれば文章を書くスピードも読みやすさも少しは上達した気がします。

自然と書きたいこと・伝えたいことが出てくるまで、面白いものに触れ続けること。

これが私がこの講座で得た最大の気付きでした。

三宅さん、noteの志村さん、夜遅くに長時間の講義お疲れ様でした。

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