新築住宅の異常な高値は「住宅瑕疵担保履行法」のせい?

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新築住宅を購入した場合、「住宅瑕疵担保履行法」という法律で買主は保護されます。
買主の立場からすると安心できる制度ですが、売主の手間はきちんと新築住宅の値段に転嫁されています。
「住宅瑕疵担保履行法」を詳しく見ていくと、新築住宅の異常な高値の裏側が理解できます。

住宅瑕疵担保履行法とは?

住宅瑕疵担保履行法では、売主に保険への加入や保証金の供託を義務付けています。
住宅に瑕疵(※構造上の問題等)があった際、売主が補修や損害賠償・解除に伴う返金などを確実に行えるようにするためです。

住宅品確法とは?

「住宅品確法」の正式名称は、住宅の品質確保の促進等に関する法律です。

新築住宅の売買契約においては、売主は買主に引き渡した時から10年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵について、以下の責任を負う。

  • 損害賠償
  • 契約の解除(瑕疵により契約の目的を達成できない場合)
  • 瑕疵の修理責任

買主に不利な特約は無効。

※出展:合格しようぜ! 宅建士 2016 音声付きテキスト&問題集 上巻[宅建業法・法令上の制限]。以下、出展元の記載がない場合は同著からの引用。

構造耐力上主要な部分等とは?

  1. 構造耐力上主要な部分
  2. ・・・住宅の基礎、壁、柱、土台、筋交い、梁、屋根板など、住宅の自重や地震などの衝撃を支えるもの。

  3. 雨水の浸入を防止する部分
  4. ・・・屋根・外壁またはこれらの開口部に設ける戸など。また、雨水を排除するため住宅に設ける排水管のうち、屋根や外壁の内部が屋内にある部分。

資力確保措置とは?

売主は上記の損害賠償・返金・補修の費用を負担するために、

  • 住宅販売瑕疵担保保証金の供託
  • 住宅瑕疵担保責任保険契約の締結

上記2つの方法を利用することができます。併用も可能です。

住宅販売瑕疵担保保証金の供託とは?

宅建業者が免許を受ける時に利用する「営業保証金制度」と似た仕組みです。
売主が倒産して支払えない事態が発生したとき、買主は保証金から支払を受けることができます(還付請求)。

住宅販売瑕疵担保保証金と営業保証金の共通事項
  1. 主たる事務所の最寄りの供託所に供託。
  2. 有価証券での供託も可。
  3. 主たる事務所が移転して最寄りの供託所が変更した時は、保管替え等が必要。
  4. 還付により不足額が生じた場合、2週間以内に不足額を供託しなければならない。
  5. 不足額を供託した時は、2週間以内に届出をしなければならない。
  6. 超過額が発生した場合、取り戻すことができる。

供託所の説明義務

宅建業者自らが売主となって新築住宅を販売する場合、買主に対して契約を締結するまでに、供託所の所在地などを記載した書面を交付して説明する義務があります。

住宅瑕疵担保責任保険契約の締結とは?

売主が保険料を保険会社に支払い、万一トラブルが発生した時に買主が保険金を受け取れるようにします。

供託などの状況についての届出義務と契約締結の制限

  1. 宅建業者は、年2回の基準日(3/31と9/30)に、算定された住宅販売瑕疵担保保証金の供託をしなければいけません。
  2. 宅建業者は、基準日における「住宅販売瑕疵担保保証金の供託」及び「住宅瑕疵担保責任保険契約の締結」の状況について、基準日から3週間以内に免許権者に届け出なければいけません。
  3. 宅建業者は、保証金の供託および状況の届出をしなかった場合、基準日の翌日から50日を経過した日以降、売主として新築住宅の販売契約をしてはいけません。

罰則

「住宅販売瑕疵担保保証金の供託」及び「住宅瑕疵担保責任保険契約の締結」をしないで売買契約を締結した場合、1年以下の懲役、50万円以下の罰金を受けます。
また、供託の届出をしなかった場合・虚偽の届出をした場合にも、50万円以下の罰金を受けます。

まとめ

新築住宅が何千万円という高価な値段に設定されているのは、広告販売費にプラスして、上記のようなさまざまな法的規制があるため、売主が対策を講じなければいけないという面があります。
買主に非常に優しい制度になっていますが、その分新築住宅の値段が上がるという、消費者にとっては自分で自分の首を絞めているような事態になっています。
手厚い保証を求めるのなら、それに見合う代償を負担しなければいけないということです。

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