不動産投資の手法の一つに「駐車場経営」というものがあります。
この記事では駐車場経営のメリット・デメリットについて触れます。
駐車場の種類
駐車場にも色々なタイプがあります。
- 既に保有している土地を駐車場にする。
- 土地を購入して駐車場にする。
- 月極駐車場として運営する。
- コインパーキングとして運営する。
土地の調達方法や、運営方法によって分かれます。
駐車場経営のメリット
- 退去時の原状回復が不要。
- 新築アパートに比べて初期投資が少ない。
- 入居中のトラブルが少ない。
- 狭い土地でも活用可能。
1. 退去時の原状回復が不要
賃貸住宅で言うところの「退去」は、駐車場の場合は月極だと「契約の満了」、コインパーキングだと「出庫」にあたります。
住宅であれば、退去後は原状回復やリフォームが必要になりますが、駐車場の場合はそのまま次の人に使ってもらうことができます。
2. 新築アパートに比べて初期投資が少ない
新築アパートを建築する場合、数千万円の建築費が必要になります。
月極駐車場の場合は、アスファルト工事や白線引き程度で運営を開始できます。初期費用は100万円もあれば充分です。コインパーキングの場合は設備を購入する必要があるため、数百万円の初期投資が必要になります。
※上記は駐車場として使える土地を持っている前提です。土地から購入して駐車場経営をするのであれば、土地取得費用も必要です。
3. 入居中のトラブルが少ない
賃貸住宅の場合、入居中に設備の故障などがあれば修理費を負担する必要があります。
月極駐車場の場合は車を置いておくだけなので、基本的には対応の必要はありません。
※コインパーキングの場合は、設備の保守・修理が必要になるため、メンテナンスフリーとはいきません。
4. 狭い土地でも活用可能
車一台でも停められるスペースがあれば運営可能です。
駐車場経営のデメリット
- 固定資産税が高い。
- 物件価格が高い。
- 利回りが低い。
- 集金・保守・修理等の手間が掛かる。
1. 固定資産税が高い
住宅の場合、固定資産税が軽減されますが、駐車場の場合はこの軽減措置を受けることができません。
2. 物件価格が高い
物件平均価格が3000万円を超えているため、中古マンションや中古戸建てに比べると高額な投資となります。
3. 利回りが低い
価格が高いことが影響して、利回りも8％台と比較的低くなっています。
4. 集金・保守・修理等の手間が掛かる
コインパーキングの場合はメンテナンスの手間が掛かります。
まとめ：土地持ち＆月極なら可
駐車場の利用が見込める場所に土地を持っていて、月極駐車場として運営できるのであれば、駐車場経営は魅力的な投資手法と言えます。
駐車場経営の最大のメリットは、入退去に関する手間が少ないことです。
しかし、コインパーキングの場合、メンテナンスの手間が大きくなってしまいます。駐車場の近隣に住んでいてトラブルにも対応できる人でなければ難しいかもしれません。
コインパーキングは、マンション等の空き室をAirbnbに転用して収益率を高める方法に似ているかもしれません。手間は掛かりますが、利益が増えるのであればそれもやむを得ないでしょう。
地主に代わってメンテナンスを行ってくれる会社もありますが、その場合は手数料として売上の20％程度が差し引かれます。
人口減は駐車場経営にとってもマイナス要因
駐車場をおすすめする人のセールストークに、
「空き家が増えているから」
「人口が減っているから」
というものがあります。
「人口が減っている」ということは車の保有台数が減っているということでもあります。車離れやスマートシティ化（徒歩圏に生活施設を集中させて車の利用を減らす町）が進行している現状を考えると、「駐車場だから安心」とは決して言い切れません。
駐車場は車を置くだけのスペースのため差別化が難しいですが、住宅は外観・内装・設備などいくらでも差別化が可能です。賃貸住宅よりも駐車場が有利とは、一概には言うことはできません。
駐車場を取得するために多額の融資が必要になるのであれば、リスクの大きさは他の不動産投資と同じです。
駐車場経営も、他の不動産投資と基本的には変わりません。
事業見通しやキャッシュフロー計画をきちんと立て、儲かる可能性が見込める場合のみ投資する、という冷静な態度が必要になります。
2016/05/19追記
駐車場投資の利回り・売上・立地・初期費用等について、別途記事を作成しました。
「駐車場の利回りを知っていますか？初期費用と毎月の売上について」
