多拠点生活を支援する「ADDress」というサービスがあります。
ADDressは、多拠点居住という新しいライフスタイルを提案する事で、全国の空き家問題を解決しながら豊かな社会を実現したい。そんな想いから生まれました。
ADDressより
大いに共感できる素晴らしい理念です。平日通勤が必要な時だけ、職場の近くの拠点を利用することで、QOL(生活の質)向上を目指せるのではないかと思い、お試し利用してみました。
■結論
いきなりの結論ですが、「私には向いていない」という感想を持ちました。理由をいくつか挙げると、
- シェアハウスなのでとにかく気をつかう。
- コロナとか感染症とかのリスクがある。
- 同じ拠点に泊まれる日数が限られている。
- 多少高くてもビジネスホテルを使った方が気楽。
- 三日前のキャンセルでも「直前キャンセル」扱いになる。
といったものです。それでは泊まった拠点の紹介に移ります。
■武蔵境
感想
駅から拠点まで徒歩20分弱かかるため、真夏の徒歩移動はキツイです。武蔵境駅南口のバス「境91」を利用しました。7〜8分乗車し、「井口新田」バス停で降車しました。そこから徒歩約5分で拠点に到着します。
到着時には私一人しかいなかったため、独り占め感が大きかったです。
「このまま一人で使えたらラッキー!」
と思っていましたが、18時過ぎに1人、21時くらいにもう1人到着したため、普通のシェアハウス状態でした(´・ω・`)
夕食・朝食はスーパー「グルメシティ」を利用しました。歩くと少々遠いと感じました(10分弱)。涼しくなってから出かけた方がいいです。
部屋には鍵が掛けられますが、小さくて簡易な鍵です。強引に開けようと思えば開けられるでしょう。隣の部屋の人の物音もほぼ丸聞こえなので、プライバシーはあるようなないような、微妙な感じです。
私が泊まった期間は管理人さん不在でしたが、家の中はきちんと整理整頓・清掃されており、特に問題はありませんでした。むしろ管理人さん不在の方が気を使わなくて良いと感じました。
この拠点は人気が高い「予約制限ありグループ」なので7日間しか予約できません。しかもADDressの仕組み上、月に14日間までしか同じ拠点には泊まれません。
■多摩平
感想
武蔵境とは全く毛色の異なる拠点で、数十人が暮らす団地の一室を3人で利用します。
シャワールームやキッチンが1Fの共用部分にしかないため、使いづらい印象がありました。例えば、朝食のためにトースターを使うプロセスは以下のようになります。
- 皿にパンを乗せる
- 靴下を履く
- 靴を履く
- ドアを開ける
- 音を立てないようにドアを閉める
- 階段を降りる
- 廊下を歩く
- 食堂のドアを開ける
- エアコンを入れる
- 照明をつける
- トーストする
- 待つ
- 照明を消す
- エアコンを止める
- 戻る(廊下歩く、階段登る、ドアを静かに開け閉めする)
- 靴をしまう
- 手を洗う
- やっと食べられる!(GOAL)
個室にはスマートロックで鍵を掛けられますが、管理人さんへLINEでの依頼が必要です。
当日到着前にスマートロックの暗証番号を教えてもらえるはずでしたが、チェックイン予定の16時を過ぎても返信がありません。携帯に電話したら「LINEいただけましたか?」と言われ、とっくにLINEしてたので「はい。」と伝えたところ、やっと暗証番号を教えてくれました。
しかし、部屋の鍵の暗証番号を誰かに知られている状態って、よくよく考えると危ないのでは?「そういうもんだ」と無理やり納得するしかないのでしょうけれど。
多摩平の管理人さんはADDress利用者と同じように、居室の一室に滞在しているようでした。私が到着した時にも部屋で何か話しているような感じでした。お忙しかったのだとは思いますが、できれば利用方法について説明していただけるとありがたかったです。もしかしたら、感染症対策でなるべく対面を避けていらしたのかもしれません。
拠点は駅から徒歩10分以内、間にイオンもあって生活にはとても便利な場所でした。
■箱根湯本
感想
これまた前の2つの拠点とは全く違った雰囲気で、完全にワンルームマンションの1室でした。
一応チェックイン時に管理人さんに挨拶しましたが、完全非対面でのチェックイン・アウトも可能だと感じました。
食器や冷蔵庫、電子レンジ、トースター、調理器具なども備え付けられており、充分自炊可能でした。
近くにスーパーはなく、徒歩5〜6分のところにセブンイレブンがあるくらいで、生活に便利な場所とは言い難い印象でした。
■まとめ
最初にも書きましたが「私には向いていない」という結論です。理由を説明します。
1. シェアハウスなのでとにかく気をつかう。
私は比較的早寝早起きなので、早朝の活動音で隣の部屋の住人を起こしてしまわないか、気になりました。また、トイレがひとつしかない拠点では、「他の人が来る前に早めに終わらせないと!」などと焦って、出るものも出なくなってしまう恐れがありました。
全く知らない人が同時に滞在していると、「どんな人なんだろう?」「めんどくさい人だったらイヤだな」などの不安が募ります。結果、なるべく他の人がいなくなったタイミングを見計らって共用部を利用するなど、なんだか肩身が狭い思いをすることが多々ありました。
2. コロナとか感染症とかのリスクがある。
ADDressに興味を持った理由の一つに、「同じような価値観の知人ができるかも」という期待がありました。しかし、コロナの波が収まらない状況では、他人との交流はなかなか難しいものです。
シェアハウスでは共用部も多く、いちいち利用後に手指消毒をしなければいけない手間も感じられました。
3. 同じ拠点に泊まれる日数が限られている。
人気の高い「予約制限ありグループ」の拠点は一度に7日間しか予約できません。しかもADDressの仕組み上、月に14日間までしか同じ宿には泊まれません。通勤に利用するのであれば、少なくとも20日は同じ宿に泊まりたいところです。また、多摩平はあまりリピートしたいとは思えない拠点だったため、2拠点にまたがった利用も難しいと判断しました。
4. 多少高くてもビジネスホテルを使った方が気楽。
三日前のキャンセルでも「直前キャンセル」扱いになってしまう点や、ゴミ出し・シーツの交換など、積み重なると不便と感じる点も多かったです。
「おためしプラン」は月55,000円です。1泊6,000円のビジネスホテルなら9〜10泊できる料金です。週2〜3日テレワークできるようなら、ビジネスホテルを利用した方がいいような気がしてきました。
何はともあれ、どんなサービスなのか利用・体験できたのは良かったです。