「みんなが知らない満室大家さんのヒミツ」を読んだ

不動産経営

conman
※出展:MICROCAR NEWS Online

空室対策について書かれた寺尾恵介さんの著書、「みんなが知らない満室大家さんのヒミツ」から一部引用します。

※出展:みんなが知らない満室大家さんのヒミツ(著:寺尾恵介)

ワルオになるな!

マナブは、ワルオとの関わりを持ちたくなかった。
空室が埋まらずに怒鳴られるのも困るが、この部屋の入居を自分が仲介して、ワルオと連絡を取り合う関係になることのほうが、はるかにストレスになるに違いない。さらに言えば、入居が決まってワルオの収入が増えること自体に嫌悪感があった。

本書の中では、

  • 業者から好かれる大家:ヨシオ
  • 業者から嫌われる大家:ワルオ

という二種類の大家が出てきます。

マナブという不動産業者は、内見者に対してワルオの物件を悪く言い、ヨシオの物件を薦めています。
大半の内見者は「いい部屋ないかな。」程度の軽い気持ちで内見をしています。
不動産のプロである不動産業者が「おすすめですよ!」と言ってくれるのであれば、その言葉を信じてしまう人がほとんどでしょう。
物件を見る目が肥えている内見者であれば、不動産業者のセールストークを話半分で聞き流して自分の基準で判断することが可能ですが、そんな内見者はごくわずかです。

空室対策における客付け業者との関係の重要性を、このストーリーはよく表しています。

「ワルオの収入が増えること自体に嫌悪感があった。」というのは、人間心理を的確に捉えた面白い記述です。
ワルオのような大家にはなってはいけない、と強く思わされました。

入居募集力の弱さが空室の原因

アパート・マンションの空室が続く理由。これは大きく分けて2つあります。
ひとつは立地、設備、間取り、築年数などの条件と比較して、家賃が高いということ。
(中略)
ほとんどの大家さんは、この「条件」の部分を空室の大きな理由と考えています。しかし、それと同じくらい大きな原因があります。
それは「入居募集力が弱い」ということです。
入居募集力が弱い原因として考えられるひとつ目の理由は、自分の物件を案内・紹介してくれる人の絶対数が少ないというものです。

本書では、空室の原因として「入居募集力」にフォーカスしています。
入居募集力を高めるためにも、不動産業者と良好な関係を保つ必要があると訴えています。

埋もれているのは大家自身

「埋もれてしまっているのは、アパート・マンションだけではなく大家さん自身でもある」ということです。
空き物件がたくさんあるのと同じように、大家さんだってたくさんいます。自分の物件をその他大勢に埋もれさせないために、まず大家さんである自分自身が埋もれてしまわないように努力しなければ、今後も競争が激化するアパマン経営を乗りきっていくことは難しいでしょう。では、埋もれないためにどうしたらよいのか。
その鍵を握るのが、本書のテーマである「コミュニケーション」なのです。

競争を勝ち抜くためには、他人と違うことをする必要があります。
人間の性格や個性はそれぞれバラバラで、大家自身が不動産業者と知り合いになるということは、最も安上がりな差別化方法とも言えます。

相手に貢献する

人気者大家さんになるための必須条件、それは「相手に貢献する」という気持ちを常に持つことです。
(中略)
貢献というと、お金をいっぱい払うというイメージが浮かんでしまうかもしれませんが、貢献はお金だけではありません。
相手の話をしっかりと聞いたり、笑わせたり、褒めたり、認めたり、成長の機会を与えたりという「人間の欲求」を満たしてあげることは、大きな貢献にあたります。
(中略)
コミュニケーションがうまくとれていない不人気大家さんは、この「相手に貢献する」という意識が不足しています。これは会話力とか、話題の面白さとか以前の問題です。この考え方を改善するだけで、アパマン経営がうまく行くようになるといっても、大げさではないほどです。

不動産業者に対して「お客さん」として偉そうな振る舞いをしてしまえば、「ワルオ」として切り捨てられてしまうでしょう。
大事なパートナーとして不動産業者を思いやり、対等な関係を構築することこそが、空室を埋めるための最短経路と言えます。

まとめ

激しい競争の中では、いかに自分の物件の強みを不動産業者に伝えられるかが重要になります。
しかし、多くの大家が同じような戦略を取るようになれば、不動産業者に頼る方法にもいずれ限界が訪れます。
近い将来、大家自らが自分の物件の強みを発信し、不動産業者に負けないような募集力を手に入れなければいけなくなるでしょう。

みんなが知らない 満室大家さんのヒミツ

みんなが知らない 満室大家さんのヒミツ

  • 作者:寺尾恵介,工藤一善
  • 出版社:ぱる出版
  • 発売日: 2010-04-23
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