「移住・住みかえ支援機構」は空き家の救世主か?

不動産経営

jti
(出展:移住・住みかえ支援機構
※2015/03/13:機構の方からご指摘いただきましたので修正いたしました。

空室対策の一つとして、「『移住・住みかえ支援機構』を利用する」という手段があるようです。

個人住宅を空き室時も最低賃料を保証した上で、最長で終身借上げ。
この「マイホーム借上げ制度」により、JTIは売却することなく住宅資産を活用する道を拓きます。

(引用:移住・住みかえ支援機構

つまり、空室だろうと半永久的に家賃を受け取ることができる、という夢のような仕組みです。

1)受け取れるお金は、家賃相場の約7割

まず、家賃の設定からしてかなり安くなりそうです。

募集予定賃料は周辺相場の80%~90%となります。地域により差がありますので、これはあくまでも目安となります。
賃料が決定すると、そこから15%を差し引いた金額が制度利用者の手取りになります。

つまり、相場の7割くらいの家賃にしかならないという事です。

次に、空室期間の「最低保証賃料」は、査定賃料の下限(今回の記述では80%の部分)から15%差し引いた金額という事で、
80%(募集予定賃料) × 85%(手取り) = 68%
相場の7割弱の家賃になります。

これは、空室期間でも受け取れるという点では、悪くない額かもしれません。

2)空室でも家賃を受け取れるのは、あくまで一人目が出ていってから

ところで、この制度では「空室期間も家賃が受け取れる」という点を強調しているように見えましたが、あくまでも一人目の入居者さんが決まって、出て行ってしまってから、という位置づけのようです。

制度利用の開始時期は、最初の転借人が入居した時点からになりますので借上げ賃料が支払われるのはその時点からとなります。制度利用の申込みと同時に賃料が保証されるわけではございません。

3)その他の費用

さらに、申込み時に事務手数料(17,000円・税別)がかかるようです。

最後に、建物診断にパスしなかった場合は制度を受けることができないそうで、基準を満たさない物件に関しては耐震補修が必要になります。

耐震構造に関しては、新耐震基準(昭和56年6月)以降の建物であれば耐震性の基準を満たすとし、適合基準を満たすことが確認出来ない建物に関しては、JTIが指定する審査機関の耐震診断を所有者の負担で受診することが必要となります。非破壊の一般耐震診断を実施し、評点1.0以上が必要な基準となります。基準に満たず補修・改修等の工事が必要と診断された場合には、補修をしなくてはなりません。例外として、評点0.7以上あれば制度利用を可能にしております。

診断には45,000円(税別)掛かるそうです。

自力で空室を埋める根性のある大家さんにとっては、あまり魅力的な制度ではないかもしれませんが、
「とにかく面倒な事はイヤ」
という人には向いている制度のようです。

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