太陽光発電は究極の不労所得か:発電所を始めるために必要な費用

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固定価格買い取り制度によって、長期にわたって安定的な収入が見込める太陽光発電。
常に空室対策を考えなければいけない不動産投資に比べ、手間の少ない投資手法とも言える。
「タイナビ」「メガ発」などの太陽光発電物件サイトを見ている限りでは、平均的な表面利回りは10%弱。
一般的な不動産投資と比較しても、それほど低いものではない。

この記事では、太陽光発電の費用および収益を

  • 小規模(10kW)
  • 中規模(50kW)

の二つのモデルを例に、実質利回りを試算する。

太陽光発電と不動産投資の比較

まずは、太陽光発電と不動産投資それぞれのメリット・デメリットを簡潔に比較する。
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太陽光発電のメリット:収益の安定性

太陽光発電の最大のメリットは、収益の安定性だ。
正常に発電が続く限り、収益は政府の固定価格買い取り制度(FIT)によって保証されている。
家庭用では1kWhあたり31円、産業用では1kWhあたり24円という価格で買い取ってもらうことができる(※)。
※2016年8月現在の買い取り価格。
家庭用は「発電容量10kW未満、出力制御対応機器設置義務なし、余剰買取」で想定。
産業用は「発電容量10kW以上、50kW未満」で想定。

収益の安定性という面では、太陽光発電は不動産投資を上回っている。
不動産投資では入居者がいなければ収入は発生しないが、太陽光発電には空室リスクの心配はない。
太陽光発電においても発電量を維持するためのメンテナンスは必須だが、不動産投資における空室対策と比べれば、負担は明らかに少ない。

太陽光発電のデメリット:出口戦略

ただし、太陽光発電にもデメリットがある。
不動産のように中古市場が整っていないため、20年後に中古物件として売却できるかどうか、いまだ不透明だ。
また、産業用太陽光発電に適した広い空き地は交通の便が悪い場所にあることが多く、資産価値が低い。借金を使うよりも、現金を豊富に持っている投資家向きの投資手法と言える。

太陽光発電の費用

次に、太陽光発電事業を開始するために必要な費用と、事業から得られる収益について。

土地代

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太陽光発電するためには、太陽光パネルを置く場所が必要となる。

家庭用であれば、家の屋根や庭の一角。
産業用であれば、数百平米の広めの土地が必要になる。

家の屋根の上に太陽光パネルを設置する場合、パネルの合計重量は数百kg~1tにものぼる。
パネルの重さに耐えられる耐震性の高い住宅・建物でなければ、太陽光発電を屋根の上に設置することはできない。

産業用の土地を用意する場合には、土地を借りる方法か買うか、いずれかを選ぶことになる。

土地を借りる場合、初期費用が少なくて済むというメリットがある。しかし、買い取り期間が終了する20年後には、土地を地主に返さなければいけない。

土地を買う場合、初期費用が高額になってしまうというデメリットがある。さらに固定資産税も負担しなければいけない。このため、土地を買う場合は利回りが低くなる傾向がある。
ただし土地を買った場合には、買い取り期間終了後も電力会社と直接契約して、売電を継続できる道も残されている。もしくは、中古発電所として売却できるかもしれない。設備の状態が良ければ、20年目以降も収益を得られる可能性があると言える。

太陽光パネル

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太陽光発電の主役とも言える太陽光パネル。
国内・国外さまざまなメーカーが多種多様なパネルを製造している。
発電効率が高いパネルは価格が高く、価格が安いパネルは広い設置面積が必要。
土地の面積や予算に応じて最適なパネルを選ぶ必要がある。

パワーコンディショナー

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※出典:田淵電機

太陽光発電で得られる直流(DC = Direct Current)の電気を交流(AC = Alternating Current)に変換したり、発電で得られる電流を最適化するための電圧制御を行ったりする役目を持つ機械。
機種によって制御可能な電力容量が決まっている。発電所の容量によっては、複数のパワーコンディショナーが必要となる。
また、パワーコンディショナーの平均的な耐用年数は10年程度。買取期間が20年の場合、最低でも1回は買い替えなければいけない。

接続箱

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※出典:三菱電機

電気配線をまとめて収納するための箱。

架台

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※出典:トール

太陽光パネルを設置するための台。
最適な角度にパネルを固定し、強風でパネルが飛んだり動いたりしないようにする。

配送料金

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※出典:日野自動車

太陽光発電のための機器は大量・多岐にわたる。
総重量もt単位になるため、大型トラック等で配送する必要がある。

工事費

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※出典:Wikipedia

土地を平らにするための整地工事。
架台や基礎を設置するための架台工事。
太陽光パネルを設置するための設置工事。
電気配線をつなぐための電気工事など、さまざまな工事が必要。

系統連系費

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※出典:nanapi

売電を開始するためには、電力会社の送電網に自分の発電所を接続しなければいけない。
設置場所周辺に電柱がない場合などは、この系統連系費が割高になる傾向がある。

廃棄・撤去費

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※出典:安部工業

土地を借りた場合、返却の際にはパネル等の発電設備を撤去する必要がある。当然ながら、廃棄・撤去には費用が掛かる。
ただし、借地期間終了後に地主が発電設備をそのまま引き取るという条件で、廃棄・撤去費が掛からない借地契約を結べば、この費用は不要となる。

土地を買った場合、発電設備が壊れたり、20年目以降の売電収入が年間保守費用を下回ったりすれば、発電設備を廃棄・撤去しなければいけなくなる。

地代または固定資産税

土地を借りる場合は地代、土地を買う場合は固定資産税を、継続的に支払う必要がある。

監視・保守費用

最適な発電量を維持するためには、発電状況をインターネット経由で監視する必要がある。
なお、発電所の容量が50kWを超える(高圧)場合には電気主任技術者の選任が必要なため、維持費は高額になる。

保険料

天候不良などで発電量が予定を大きく下回った場合、メーカーの出力保証を受けることができる。この保証期間は通常10年だが、追加料金を支払うことで延長することも可能だ。
ほかにも、台風や火災などの被害を補償するための自然災害補償を付けることで、突発的事態への対処が可能となる。

太陽光発電の収益

立地にもよるが、1kWの発電設備が一年間に生み出す電力は約1,000kWhと考えられる。
家庭用の上限である10kWの発電設備であれば、1,000kWh×10×31円=31万円が予想収益になる。
産業用(低圧)の上限の50kWであれば、1,000kWh×50×24円=120万円が予想収益となる。

まとめ

以上、太陽光発電の費用と収益について見てきた。
太陽光発電事業を始めるためには、新築不動産建築に匹敵するような広範囲にわたる事前準備・作業が必要だということがわかった。

次の記事では、10kWと50kWの2種類の太陽光発電事業の費用・収益を試算する。

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