不動産は「ガラクタ同然」?「あなたの不動産が負動産になる(吉田太一著)」を読んで

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遺品整理会社と不動産会社を経営する吉田太一さんの著書、「あなたの不動産が「負動産」になる: 相続・購入する前に今すぐやるべきこと (ポプラ新書)」を読みました。

200ページ程度の新書ですが、初めて不動産を買う人にとっても、不動産投資をしている人にとっても、参考になる内容が多いと感じたため紹介します。

不動産は「趣味で買い集めたガラクタ同然」?

以下、本書から引用します。

故人が相当のお金をつぎ込み買い込んだ土地も、遺族にとって活用方法がなければお荷物以外の何ものでもありません。
趣味で買い集めたガラクタ同然。
場合によっては骨董品よりも価値がないと判断され、個人の道楽に過ぎなかったと言われても仕方ありません。

なんとも辛辣な表現ですが、的を得ていると言わざるを得ません。

本書では、賃貸で得られる家賃と同じくらいの管理費や修繕積立金が掛かってしまう築古マンションを例に挙げて、「2000万円で購入したマンションが、35年後には400万円でしか売れない」という現実にスポットライトを当てています。

私自身、「自分が死んだあと所有している不動産をどうするか?」ということを考えることもあります。

ボロ物件を直して入居者さんを見付けるという作業は、なかなかに手間のかかる仕事です。
もし子どもがいたとしても、その子ども本人が不動産投資に興味を持てないのであれば、遺産相続しても面倒を増やしてしまうだけです。
「私の死後は所有不動産を処分して〇〇〇に寄付すること」などと遺言を残し、弁護士等に処分を依頼するのが良いのかもしれません。

本書を読むと、不動産は「買えば終わり」ではないということが非常によく分かります。

35年ローンでマンションを購入した場合の実質負担額は、物件価格の約2倍!?

同じく、本書から引用します。

ある故人の息子さんと一緒に、新築マンションを35年前にローンを組んで購入しローンを完済した場合、総額でいくら支払ってきたのかをざっくり計算してみたことがありました。
購入時の価格は2000万円。
35年ローンでは一か月約85,000円前後の支払いとなります。
支払総額はおよそ3570万円です。
固定資産税は、仮に年間10万円としても35年で350万円。

つまり、ローンの支払いと固定資産税の合計で4000万円弱の費用が掛かることになります。
物件価格の約2倍の費用です。

水回りや建具の修理などの金額は含んでいないため、実際に掛かる金額はもっと高い可能性があります。
賃貸であれば、水回りや建具などの設備の補修費は、貸主が負担してくれます。

仮に、ローン完済後にこのマンションが400万円でしか売れなかった場合、35年間で3500万円のお金を使った計算になります。
年間100万円の住居費を安いと考えるか、高いと考えるか。

もちろん35年という時間を勘定に入れる必要もあります。金利もその時々で変わります。
35年後の4000万円を現在価値に割り戻して、現在の2000万円と比較しなければ、正確な比較とは言えません。

いずれにしても本書を読むと、「賃貸よりも、購入した方がお得」とは必ずしも言い切れないことが分かります。

滞納共益費の確認を忘れずに

再度、本書から引用します。

管理費や修繕積立金が滞納されたままの物件も多く、このような物件はたとえ1円で落札しても、数百万円単位に膨らんだ滞納共益費の負債を落札者が承継、負担しなければなりません。

規模の割に修繕積立費の少ない団地やマンションは管理規約をしっかり読んでおかないと、外壁塗装工事や大規模な工事などの際に個人負担額が大きくなる可能性があります。
安いからと言って飛びつくと、後々の出費に頭を抱えることになりかねません。

私も、倉庫代わりに古い格安マンションを購入しようか検討していましたが、本書を読んでからは慎重になってしまいました。
他にも耐震基準や劣化対策等級など、マンション購入の際には検討すべき項目が数多く存在していることが分かります。

「限定承認」という相続手続き

限定承認の手続きができる専門家は全国でもほとんどいませんが、一般ユーザーのニーズはかなりあります。
限定承認とは、通常の相続のように、財産も債務も引き継ぐ代わりに、もし、引き継いだ財産より多くの負債が後日発覚した場合、引き継いだ財産の金額の限度でしか債務を負わないという制度です。

相続の際、故人の借金が心配であれば「相続放棄」しかないだろうと思っていましたが、「限定承認」という方法があることを知りました。
ただし、「限定承認」は手数料が高いようです。

  • 相談費用:5000円(30分)
  • 着手金:30万円
  • 成功報酬:財産の10%(最低額10万円)
  • その他実費

※出展:LSC総合法律事務所

最低でも50万円くらいは相続財産が無いと、赤字になってしまいそうです。

自分でやったという方もいましたが、負債が多い場合はそれも難しいようです。
※出展:まったり処ききや

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