投資用不動産でも地震保険に加入できるの?

不動産経営

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結論から言うと、投資用不動産であっても住居系(アパート・マンション・戸建)であれば地震保険には加入できます。
以下、順を追って説明します。

地震保険の保険料は全社一律

地震による被害は、ひとたび発生すれば甚大なものです。
内閣府は、2040年ごろまでに約70%の確率で発生すると予想されている「都区部直下型地震」の被害額を「95兆円」と試算しています。

これほど甚大な被害額となると、民間保険会社だけで全ての補償額を支払うことは事実上不可能と言えます。そのため、政府と保険会社が共同で「家計地震保険」という制度を運用しています。この「家計地震保険」が、「地震保険」と言われているものにあたります。

地震保険の保険料は加入会社に関わらず一律です。地震保険で得た保険料は、保険会社の利益としては扱われず、将来の地震に向けた積立金として扱われます。

保険加入金額は、火災保険の金額の30%~50%の範囲と定められています。火災保険とセットで加入する必要があります。

保険料は地域によって異なります。地震のリスクや、建物価格の相場によって決まっています。

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※出展:地震補償保険Resta

例えば北海道にある木造のアパートで、2000万円の保険加入金額を掛けた場合、年間保険料は33,000円になります。
※火災保険加入金額が4000万円と仮定。

不動産投資でも地震保険の支払は受けられる

不動産投資で購入した住宅は「事業用建物」になるのでしょうか、「居住用建物」になるのでしょうか?地震保険はあくまで「居住用建物」限定の制度です。この疑問に対しては、以下のように説明されています。

【代理店C社】
「賃貸住宅の場合は、補償上限は、1棟5000万ではなく、1戸5000万です。ですから、25戸であれば、5000万×25戸(12億5千万円)が上限となります」

【某大手保険会社】
「賃貸住宅のオーナー様がご契約する場合、保険の対象は1棟としてみるのではなく、1戸あたりで計算します。」

つまり、戸室ごとに保険額を算出していくのです。したがって、前述のケースで見た場合、仮に火災保険の補償対象額を2億円で設定した場合、最大50%までが補償範囲となりますので、1億円までを補償することが出来るのです。

※出展:All About

  • 不動産投資で購入した住宅も「居住用建物」である。
  • 保険金額は一戸当たり最大5000万円である。

ということが言えます。

なお、最新の約款を確認してみましたが、同様のことが書いてありました。

2以上の世帯の居住する共同住宅である場合は、居住世帯を異にするその建物または戸室ごとに(2)および(3)の規定をそれぞれ適用します。

※(2)の規定には、「同一敷地内に所在し、かつ、同一被保険者の所有に属する建物 5000万円」とあります。
※出展:東京海上日動あいおいニッセイ

地震保険の支払の対象となる損害状態

まず、損害状況により次の3段階に分けられます。

  1. 「全損」・・保険金額の全額の支払いが受けられる。
  2. 「半損」・・保険金額の半額の支払いが受けられる。
  3. 「一部損」・・・・保険金額の5%の支払いが受けられる。

損害状況の定義はかなり複雑です。

「全壊」扱いとなる例

木造在来工法2階建ての建物で以下の損害が発生した場合、「全壊」として認定されます。

  • 損傷した柱の割合が40%超
  • 損傷した基礎コンクリートの割合が50%超
  • 損傷した屋根の割合が50%超
  • 損傷した外壁の割合が70%超
  • 主要構造部各部の損傷割合の合計が50%超
  • 液状化による傾斜の割合が1度超(傾斜角:1000mm/18mm)
  • 液状化による沈下が30cm超

詳しくは「地震保険損害認定基準(あいおいセゾン)」をご覧ください。

なお、日本建築学会は次のように傾斜角を定義しています。

3/1000以下 品確法技術的基準レベル-1相当
4/1000 不具合が見られる
5/1000 不同沈下を意識する、水はけが悪くなる
6/1000 品確法技術的基準レベル-3相当、不同沈下を強く意識
8/1000 建具が自然に動く
10/1000 排水管の逆勾配
17/1000 生理的な限界値


まとめ:ローンの支払いが残っている場合は加入必須

地震発生の際に困るのが、「建物はなくなったしまったが、ローンの支払いだけ残ってしまった。」というケースです。

不動産投資をしていると「地震があったらどうするの?」と心配されることがあります。
そんなことを言い始めたら、業種を問わず事業を始めることもできませんし、そもそも日本に住んでいる時点でどうかとも思うのですが、確かに地震のリスクは考慮すべき点です。無借金であったとしても、建物が全壊してしまえば家賃収入がストップしてしまうリスクがあります。
1000万円程度の掛け金であれば年2万円弱で加入できるので、入っておいても損はないかもしれません。

その他、地震保険を検討する際に参考になったURLを以下に挙げておきます。

※出展:「絶対に知っておきたい!地震・火災保険と災害時のお金」(さくら事務所 著)

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