私がまだ会社員だったとき、「会社をやめて独立してしまうと賃貸物件を借りる時に不利なのでは?」という不安を持っていた。
今では、「会社員のときより多少は不利になるが、借りられないことはない」と理解している。
1)家賃は月収の20%以内に
家賃の適正水準は月収の1/3以内と世間一般では言われている。
しかし実際は、家賃の4倍以上の月収がない入居申込者に対しては、審査が厳しくなる傾向がある。
(参考)
自営業者となると、会社員よりも審査は厳しくなる。
自営業者で入居審査を無事に通過したいのであれば、家賃は月収の20%以内に抑えることが望ましい。
2)確定申告書の数値を魅力的に
入居審査では収入を証明する書類の提出を求められる。
会社員であれば年末調整書のコピー、自営業者であれば確定申告書のコピーが必要となる。
当然ながら、
- 売上・所得が多い。
- 順調に利益が出ている。
- きちんと納税をしている。
という自営業者のほうが審査では有利だ。
3)預金残高を多く
節税目的で決算を赤字にしている自営業者も多いと思う。
赤字決算であっても、預金残高の多い銀行通帳のコピーを提出することで審査を有利な方向に戻すことは可能だ。
目安となる預金の額は、2年分の家賃(+生活費)。
例えば家賃10万円の賃貸物件を借りようとしている場合、家賃:10万円×24か月=240万円が口座に入っていれば、審査を通過する可能性は非常に高い。
さらにいえば、生活費:20万円×24か月=480万円を追加した額720万円の預金残高があれば、審査で落ちることはまずありえない。
4)「この人は長く住んでくれそう」と思わせる
相手に良い心証を与えることで、審査を有利に運ぶことも可能だ。
そのためには、
- その物件(引越し先)を選んだ理由。
- 長く住みたいと考えていること。
この2点を不動産屋に伝えておく。
[1] 「その物件を選んだ理由」は仕事関係が望ましい
その物件を選んだ理由としては、
- 「取引先が近いから」
- 「仕事でこの辺りに来る用事が多いから」
など、仕事関係の理由を伝えることが望ましい。
プライベートがらみの理由よりも仕事関係の理由のほうが、「長く住んでくれそう」という印象を相手に与えられるからだ。
[2] 「長く住みたい」と伝えると有利な理由
口から出まかせでもかまわないから、「長く住みたいと考えている」と言っておいた方がよい。
本心から言えれば最高だが、将来のことは誰にもわからない。人それぞれに事情もあるだろう。仮に短期で出て行かなければいけなくなったとしても、「急に事情が変わった」と言えばいい。契約内容によっては短期退出に伴う違約金を取られる場合もある。
5)不動産屋から信頼してもらう
最後に最も重要な点は、「不動産屋から信頼してもらう」ことだ。
不動産屋は、
- 問合せメールの言葉づかい。
- メールや電話への反応。
- 店を訪問した時の行動。
- 内見時の行動。
このような申込者の一挙手一投足を詳しく見ている。
マナーや常識、話し方や言葉の選び方、目線や仕草などから、「信頼できる人物かどうか?」を常に判断しようとしている。
ただし、あまり深く考える必要はない。
「笑顔でハッキリと話す」とか「礼儀正しくする」とか、最低限のマナーに気を付ければ充分だ。
「この人は大丈夫そうだな」と不動産屋に思ってもらえれば、不動産屋は味方になってくれる。不動産屋という仕事は成果報酬だ。トラブルを起こす可能性が低い申込者であれば、不動産屋は基本的には話をまとめる方向で動いてくれる。
まとめ
「自営業者が賃貸物件の審査を通るために必要な5か条」のおさらい。
- 家賃は月収の20%以内に。
- 確定申告書の数値を魅力的に。
- 預金残高を多く。
- 「この人は長く住んでくれそう」と思わせる。
- 不動産屋から信頼してもらう。