「プロパティマネジメント」と一般的な管理会社の違い 空室が埋まりやすいのはどっち?

不動産経営

管理会社の中には、「プロパティマネジメント」という業務をうたっている会社もあります。
この記事では、一般的な管理会社と「プロパティマネジメント」の違いについて説明します。

プロパティマネジメントの発祥

「プロパティマネジメント」という横文字は日本語に訳すと「資産管理」です。

「プロパティマネジメント」は1980年代のアメリカに端を発しています。
全国的に不動産開発を行っていた不動産会社の多くが、1990年代の不動産バブル崩壊をきっかけとして管理業務に事業転換を図りました。
以降「プロパティマネジメント」という事業を手掛ける会社がアメリカで増加し、日本でも2000年ごろから「プロパティマネジメント」を名乗る管理会社が出現するようになりました。
※出展:欧米におけるプロパティマネジメントの調査|日本建築学会関東支部研究報告集

プロパティマネジメントと一般的な管理会社の違いは?

一般的な管理会社は、町の一角に店舗を構えていることが多いです。いわゆる町の不動産屋さんです。

  • お部屋を探している人の希望条件に合った部屋を案内する仲介業務(媒介)
  • 大家さんから預かった物件を管理する業務

この両方の業務を行うのが、一般的な管理会社です。

かたや、プロパティマネジメント会社の多くは店舗を持っていません。
プロパティマネジメント会社は、見込み客対応をせず、物件管理に特化した存在と言えます。
※店舗を構えているプロパティマネジメント会社もあります。

プロパティマネジメント会社の日常業務は、一般的な管理会社の業務とほぼ同じです。例えば以下のような業務を大家に代わって対応してくれます。

  • 入金チェック
  • 滞納への対応
  • 入退去立会い
  • 入居者からの電話窓口

プロパティマネジメント会社と一般的な管理会社の最大の差は、「物件の資産価値の向上」という点にあると言います。

プロパティマネジメント会社は「収益還元法」を重視する

不動産の資産価値を測る方法は、大きく以下の二つに分けられます。

1)積算法

過去の取引事例や路線価等から土地の価格を割り出し、建物の残存価値と合計して、不動産の価値を導く方法です。
中古不動産の場合、建物の残存価値がゼロとして計算されることも多く、圧倒的に低い価値がつくことがあります。

2)収益還元法

年間収入を還元利回りで割って不動産価値を導く方法です。
計算が単純な「直接還元法」と、収益+売却価格(現在価値に割り戻して計算)で導く「DCF法」の2種類があります。

プロパティマネジメント会社は収益を上げることを重視する

プロパティマネジメント会社は、物件の資産価値を「収益還元法」で計算します。
「収益還元法」では、毎月の家賃や入居率が高いほど資産価値が高くなります。
このため、プロパティマネジメント会社は空室を埋めることに真剣になるという特長があります。

結局、どっちがいいのか

プロパティマネジメント会社を利用した場合、お金を払う人(借主様)とお金を受け取る人(貸主様)の間に、余計なマージン(手数料)が入って来るようにも見えます。
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※出展:ソニー不動産

例えば下記のように、問屋・卸売・小売を通す場合と、
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※出展:スフエールボー



消費者が生産者から直接買う場合では、
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消費者が生産者から直接買った方が、お互いハッピーです。マージンが不要な分、消費者は安く買うことができ、生産者は高く売ることができるからです。

不動産賃貸においても、これまで管理会社(仲介業者)一社だけを通していたところに、
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プロパティマネジメント会社というマージンが入れば、
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※出展:ソニー不動産

大家の取り分が減るだけのような気もします。

ただし管理会社に二か月分の広告料を支払うのであれば、プロパティマネジメント会社と仲介業者に一か月分ずつ支払ったとしても結果は同じです。

まとめ

結局のところはやってみないと分かりません。
実際に「プロパティマネジメント」と謳っている会社のHPを見ても、「普通の管理会社とおんなじだな。」という会社も多く見られます。

まずは問合せることから始めてみたいと思います。

参考


(2016/04/10追記)
エムズウェストさんからは、新規管理は現在受け付けていないとのことで断られました。

数ある不動産管理会社の中から弊社のウェブサイトへのお問い合わせを頂き誠にありがとうございます。
ご担当させて頂きますエムズウエストの〇〇と申します。

弊社では首都圏のみならず、北海道、東北、東海、関西、四国、九州と日本全国を対象にすべて一律のPMフィー(1室あたり月額1,000円税別)で賃貸管理を受託させて頂いております。

※ お問い合わせ頂いた戸建、または分譲マンションの場合は、1室あたり月額2,000円税別とさせて頂いております。

しかしながら、弊社では現在、新規管理開始となる物件の増加を受け管理サービスの低下を招くことの無いよう、当面の間、地方での戸建物件および分譲マンションの新規管理受託については控えさせて頂いております。
せっかくお問い合わせ頂きながら大変申し訳ございません。また機会がございましたら是非よろしくお願いいたします。

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