不動産担保ローンを活用して物件を増やす。不動産投資で使える4種類の借金。

不動産経営

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不動産投資には、ある程度まとまった額の資金が必要です。
アパート一棟を購入しようとすれば数千万円、商業ビルであれば数億円と、貯金でどうにかなる範囲を超えている物件もあります。
そんな時、「借金」は一つの資金調達手段です。

借金が向いている人

私自身は無借金で不動産投資をおこなっています。
しかし、貯金で不動産投資をしようとすれば、それなりに時間が必要となるのも事実です。
貯金する時間を節約するという点では、借金は合理的な手段です。

あなたが以下のような条件にあてはまるのであれば、借金で不動産投資を始めるのも悪いことではありません。

  1. 3年以上同じ会社で正社員として働いている
  2. なるべく早く会社員を卒業したい
  3. 借金があっても気にならない
  4. 空室が増えて赤字になったら、また働いてもいいと考えている
  5. 給与収入・家賃収入以外の収入がある


私が借金を恐れている理由

私は「借金があると気になる性格」なので、無借金を続けています。

私が借金を恐れるようになったのは、実家の影響です。
私の実家は商売やマンション経営をしていたので、当然のように借金を抱えていました。
商売の売り上げ不振、マンションの空室率上昇、家賃の下落、設備補修などで、常に借金返済のプレッシャーに追われる家族を見続けてきました。
そのため、「借金がある限り、安心して暮らすことはできない」と考えるようになってしまいました。

これは極端な考え方です。
事業計画や経営がしっかりしていれば、借金は成長促進剤として欠かせないものです。

個人事業主や中小企業社長は会社員よりも借入がしにくい傾向があります。
もし借金を希望しているのあれば、会社員を卒業する前に、銀行からお金を借りておくことをお勧めします。

借金の種類

不動産投資で使える借金は、大きく分けて4種類あります。

  1. 住宅ローン
  2. アパートローン
  3. 不動産担保ローン
  4. 事業性融資

それぞれについて以下に解説します。
※以下の金利等は2015年12月現在の情報

1)住宅ローン

住宅ローンは、主に自分が住むための住宅を購入する際に利用できる借金です。
人に貸すのを目的として借りることはできませんが、始めは自宅として使い、途中から人に貸す行為自体は禁止されていません。
金利も低く魅力的ですが、あくまでも「自宅用」です。
物件を次々と増やしたいのであれば、不向きな手法です。

[例1]千葉銀行:長期固定金利型住宅ローン

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※出展:千葉銀行

金利 1.80%
手数料 30,000円(税別)

※手数料定額型(20年超)、融資額が建設費・購入価額の9割以内の場合

[例2]優良住宅ローン:マイホーム【フラット35】

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※出展:株式会社優良住宅ローン

金利 1.55%
手数料 融資額の0.5%(税別)

※性能評価物件、最低手数料額100,000円(税別)、手数料定額型(20年超)、融資率9割以下、返済期間21年以上

2)アパートローン

「アパートローン」と言う代わりに「不動産投資ローン」と呼ぶ場合もあります。
アパートに限らず、投資用不動産を購入するために利用できる借金です。

[例1]オリックス銀行:不動産投資ローン

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※出展:オリックス銀行

金利 3.675%(変動金利)
手数料 融資額の1.0%(税別)

「変動金利」とは、市場状況に応じて半年や1年ごとに改訂される金利のことです。
逆に金利が変わらないものを「固定金利」と呼びます。


[例2]東京都民銀行:アパートローン

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※出展:東京都民銀行

金利 2.775%(変動金利)
手数料 50,000円(税別)


3)不動産担保ローン

既に不動産を所有している場合、その不動産を担保とすることで借り入れが可能な借金です。

[例1]住信SBI銀行:不動産担保ローン

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※出展:住信SBI銀行

金利 2.99%~8.9%(変動金利)
手数料 借入金額の2%(税別)


[例2]東京スター銀行:不動産担保ローン

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※出展:東京スター銀行

金利 2.45%(変動金利)
手数料 100,000円(税別)

※固定金利型(10年)、調整幅およびメンテナンスパック料は含まず

[例3]セゾンファンデックス:不動産担保ローン

上記2件と異なり、購入予定の不動産を担保として設定可能です。
前述の「アパートローン」と似た内容です。


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※出展:セゾンファンデックス

金利 3.80%(変動金利)
手数料 融資額の2%(税別)

※手数料は、事務手数料・調査料の合計

4)事業性融資

不動産に限らず、事業を行う際に利用できる借金です。
決算書などの事業報告書の提出・審査が必要です。

日本政策金融公庫:普通貸付

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※出展:日本政策金融公庫

金利 2.70%
手数料 不明

※担保不要、20年固定、基準金利

比較表

上で見てきた金利を一覧表にまとめます。

種類 会社 金利 手数料
住宅ローン 千葉銀行 1.80% 30,000円
住宅ローン 優良住宅ローン 1.55% 融資額の0.5%
アパートローン オリックス銀行 3.675%(変動) 融資額の1.0%
アパートローン 東京都民銀行 2.775%(変動) 50,000円
不動産担保 住信SBI銀行 2.99%~(変動) 融資額の0.5%
不動産担保 東京スター銀行 2.45%(変動) 100,000円
不動産担保 セゾンファンデックス 3.80%(変動) 融資額の2%
事業性融資 日本政策金融公庫 2.70% 不明

※(変動)と記載がない場合は固定金利。手数料は税別。

住宅ローンと事業性融資は固定金利、アパートローンと不動産担保ローンでは変動金利が基本のようです。

【まとめ】借金をするなら知っておくべき知識

「旬な」銀行はしょっちゅう変わる

不動産投資に寛容だったり対応が素早かったりするいわゆる「旬な」銀行は、数か月単位でめまぐるしく変わります。
一時期有名だった「スルガ銀行」も、現在では積極的に不動産投資ローンを行っていません。

都市銀行よりも、どちらかというと地方銀行や信用金庫・信用組合の方が融資には積極的です。
ただし地方銀行や信用金庫・信用組合の場合、担当地域で働いていたり住んでいたりしないと、融資を受けるのは難しいです。

一度借金をして終わりではなく、条件の良い銀行にどんどん借り換えていくことで、毎月の金利負担を減らすことで、投資利回りを向上させることもできます。
半年ごとに銀行の担当者と交渉して金利を下げてもらうことも可能です。

「ノンバンク」の活用法

セゾンファンデックスのようなノンバンク(預金部門を持たない金融機関)は、問合せへの返答、審査などが速いという特徴があります。
ホームページから見た限りでは確認できませんでしたが、固定金利を提供している可能性もあります。
他の金融機関では借りられないような法定耐用年数ギリギリの物件ででも、ノンバンクであれば資金調達可能な場合もあります。
対応の速さの引き換えとして、ノンバンクは金利が高くなる傾向はあります。

金利の決まり方

各銀行の変動金利は、「短期プライムレート」に基づいて決まります。
「短期プライムレート」とは、都市銀行6行が集まって自主的に決めている短期金利です。
「長期プライムレート」は。みずほコーポレートが決めている金利です。
日本銀行のサイトで公開されています。

経済学的には、短期金利は長期金利より低いのが普通ですが(貸し出し期間が長くなれば、貸し倒れリスクも高くなるため)、短期金利の方が高くなる場合もあります。
「逆イールド」と呼ばれる状態で、バブル崩壊後や、リーマンショック後に発生しました。
2011年以降の日本でも発生しています。
目先のインフレ懸念が強く、短期金利の急騰が見込まれている時に発生すると言われています。

参考資料

動画セミナー「利回り19%の満室経営」
フラット35金利情報
不動産担保ローン一覧|イーローン
東京商工会議所商品一覧 | メンバーズビジネスローン

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