脱サラに成功したいなら最低でも2年は準備期間が必要?脱サラの現実と実現までに必要な期間。

FIRE・セミリタイア

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※出展:Divine Lifestyle

「脱サラ」という言葉を聞くと、どんなイメージをお持ちになりますか?
「脱サラ」には、

  • 自由な生き方
  • 人間関係にわずらわされない
  • 稼いだお金は全て自分の収入


このようなプラスのイメージがある一方、

  • 収入が不安定
  • 独立資金が必要
  • 特別なスキルが必要
  • 休みがなくなる


といった負のイメージもつきまといます。

この記事では、事例を交えながら脱サラの現実と、必要な準備期間についてお伝えしていきます。

脱サラに必要な準備期間を知らなければいけない理由

脱サラを考えている人が知らなければいけないことの一つに、「脱サラ実現までに必要な準備期間」というものがあります。

脱サラに成功している人たちが、どのくらいの準備期間を必要としたのかを知ることで、あなたが脱サラで失敗する可能性を減らすことができます。

また、「どのくらいの期間がんばれば、今の生活から抜け出せるのか」を知ることで、現在の仕事が苦しいものであったとしても耐えることができます。

脱サラ4分類

脱サラ後の生活を、「収入」と「忙しさ」で4つに分類します。

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縦軸に「収入」、横軸に「忙しさ」を設定します。
上に行くほど収入が多く、下に行くほど収入が少ないものとします。
右に行くほど忙しく、左に行くほどヒマとします。

1) 売れっ子

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※出展:Alberta Limousine Service

収入が多く、多忙な人たちです。
会社の経営やフリーランスとして成功されている方々です。
世間一般で「脱サラで成功した」と言う場合、基本的にはここに当てはまります。

2) 悠々自適

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※出展:Sydney Morning Herald

収入が多く、ヒマな人たちです。
利子・配当・家賃収入などで生活しており、特に働く必要がない方々です。
「脱サラ」と言うよりは、「アーリーリタイア」「セミリタイア」と言った方がふさわしいかもしれません。

3) ミニマリスト

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※出展:The Frug

ミニマリストとは、簡単にいうと、最小限主義者のことを指します。
必要最低限の物で生きる人達のことです。

※出展:ミニマリスト生活をenjoyするしましまのブログ

収入は多くありませんが、時間のゆとりがある人たちです。
「日本一のニート」のphaさんや、「隠居系男子」の人などがあてはまります。
この分類に当てはまる人たちは、物欲・所有欲が少なく節約上手なため、世間一般より少ない収入でも問題なく暮らしていけます。

4) 貧乏暇なし


※出展:Wise Bread

忙しく働いているにも関わらず、収入は多くない人たちです。
自営業者やフリーランスで、仕事の単価が低く、あまり儲かっていない方々があてはまります。
言葉はあまり良くありませんが、「ワーキングプア」とも呼ばれる状態です。

脱サラ実現までに必要な期間

上記4分類ごとに、脱サラ実現までに掛かる期間を見ていきます。

1) 売れっ子組(会社経営、フリーランス)

「メルカリ」創業者:山田 進太郎氏

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※出展:メルカリ

フォーブスの「日本の起業家ランキング2016」で一位に選ばれた、フリマアプリ「メルカリ」の創業者、山田 進太郎氏。
山田氏は、大学卒業後は就職せずフリーのWeb開発者として生計を立てていたようです。
※出展:Career Groove

学生時代のインターン期間を「脱サラ実現までに必要な期間」と無理やり仮定すると、約2年弱となります。
※「大学3年生からインターンを開始」とあるため。

「ラクスル」創業者:松本 恭攝氏

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※出展:ラクスル
次に、同じくフォーブスのランキングで二位に選ばれた、印刷会社「ラクスル」創業者、松本 恭攝氏。
松本氏は1984年生まれ、大学卒業後は外資系コンサルティング会社で働き、2009年にラクスルを創業しています。
※出展:Business Planet

22歳で卒業して働き始めたとすれば、2006年から2009年まで外資系コンサルティング会社で働いていたことになります。
松本氏を例にとると、「脱サラ実現までに必要な期間」は約3年と仮定することができます。

他の有名な起業家で言うと、楽天の三木谷氏は大学卒業から創業まで約7年間、DeNAの南場氏は大学卒業から創業まで約13年間と、人によってかなり幅があります。

起業家以外の「売れっ子」の例としては、開業医も当てはまります。
医者の場合、大学卒業後3年の研修期間が必要です。
開業医として独立するには、病院経営ノウハウを身につける必要もあるため、研修終了後にさらに数年が必要と思われます。

弁護士として独立する場合も、3年~7年の修業期間が必要と言われています。

2) 悠々自適組(不動産投資家、会社売却、資産運用)

不動産投資家:寺尾 恵介氏

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※出展:投資家けーちゃん

アパート6棟94戸(2012年時点)を保有し、セミナー講師・Web新聞の運営を行っている寺尾氏。
2004年から不動産投資を開始し、2008年には会社員を卒業。
不動産投資を始めてから脱サラするまでの期間は、約4年弱です。
※出展:楽待

元経営者:槙野 光昭氏

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※出展:kakaku.com

kakaku.comの創業者で、会社売却後は自由な生活を送っている槙野氏。
21歳でPC周辺機器メーカーで働きはじめ、23歳で創業。28歳で会社を売却。
kakaku.comのアイデアやビジネスモデル自体は、メーカー勤務時から構想していたことでしょう。
メーカーで働いていた時代も含めれば、会社売却までに掛かった期間は約7年です。
※出展:3分で分かるCEOの経歴書

投資家:www9945さん

サラリーマン生活を21年続けながら、株式を中心とした投資で2億円をつくったwww9945さん。
※出展:日本経済新聞

3) ミニマリスト組(ネオニート、隠居)

「日本一のニート」:pha氏

pha
※出展:modern fart

書籍の出版やテレビ出演など、もはや「ニート」と呼ぶよりは「自営業者」と呼んだ方がふさわしいpha氏。
彼も大学卒業後、約3年働いた経歴を持っています。
とはいえ、Twitterやプログラミングやブログで収入を得る感触をつかめた段階で「脱サラ」しているので、「脱サラのための準備期間」はほぼ「ゼロ」と言っても良いかもしれません。
※出展:Naver


「隠居系男子」:大原 扁理氏

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※出展:Amazon
高校卒業後、ひきこもりや海外放浪をへて、週2日だけ働くライフスタイルを貫いている大原氏。
週2日とはいえ雇用されているため「脱サラ」とは言いがたいですが、価値観は「脱サラ」に通じるものがあります。
大原氏の場合、「脱サラのための準備期間」はほぼゼロです。
※出展:大原扁理のブログ

4) 貧乏暇なし組(売れない自営業者)

1) の「売れっ子組」と同じくらいの準備期間を持っていたとしても、時の運や人との出会いに恵まれていない場合、努力の方向性が間違っていた場合には、このケースに陥る可能性はあります。

なお小売業・飲食業・宿泊業・医療・福祉において自営業者の働く時間は、雇われて働くよりも1.3倍~1.7倍に増える傾向があります。
※出展:就業者労働時間の推計方法

逆に教育業や不動産業では、自営業の方が2割~5割、働く時間を減らすことができています。

まとめ

以上見てきた脱サラ4分類ごとに、脱サラに必要な準備期間をまとめると以下のようになります。
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「ミニマリスト組」として脱サラするのであれば、準備期間はあまり必要でないことが分かります。
「悠々自適組」として脱サラしたいのであれば、準備期間は長くなる傾向があります。

経済的な余裕を持って脱サラしたいのであれば、最低でも2年~4年は準備した方が良いということが分かります。
とはいえ、「売れっ子組」になれるか「貧乏暇なし組」になってしまうかは、結局のところ本人の努力や運次第なところもあります。

「脱サラ」という言葉の成り立ち

ところで「脱サラ」という言葉自体は、どこで誰が使い始めたのでしょうか?
私は、「脱サラ」という言葉は「アントレ」などの独立推奨雑誌が、広告用に作り出した言葉ではないかと考えています。
そう考える根拠は、「脱サラ」という言葉の成り立ちです。

「脱」という言葉は「脱出」「脱獄」「脱皮」など、好ましくない状態から抜け出す場合に使われることが多いです。
「脱」という言葉が「サラリーマン」という言葉と組み合わされている点を考えると、「サラリーマン」という現状をあまり好ましく思っていない人向けの言葉ということが分かります。
「サラリーマン」という現状をあまり好ましく思っていない人をターゲットとしているということは、フランチャイズや資格などを売る会社がつくりだした言葉と考えることができます。

いずれにしても広告や他人に影響されて「脱サラ」を決めるのではなく、副業形式で事業を小さく始めたり、生活費をまかなえる収入のメドがつくまでサラリーマンを続けたり、大きく儲かるようになるまでは初期投資を可能な限り抑えたりするなど、じっくりと綿密に準備することが、「脱サラ」成功の秘訣と言えるもしれません。

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