【第3章:リフォーム】

1) 各種リフォーム費

リフォーム
※出展:TCU

残金決済・物件引き渡しが完了したら、リフォームに入ります。
入居者さんを募集するためには避けて通れない作業です。

室内に限定すると、リフォームは大きく二種類に分けられます。
一つが、「設備の点検・修理(または増設)」
もう一つが、「室内の見ばえを良くすること」です。

A) 設備の点検・修理(または増設)

カギを受け取ったら、まずは以下のような設備をチェックします。

  • キッチン、トイレ、風呂場、シャワーなどの水回り。
  • 給湯機を使ってのお湯の温度調節。
  • 備え付けストーブやエアコン、玄関インターホン、照明器具の動作確認。
  • 窓や網戸、各部屋ドア、収納の開閉確認。
  • 火災報知器の設置と動作確認。

※火災報知器は自治体により設置場所が異なるので、役所のHPや窓口で要確認。

その他、家じゅう目につくもの全て、ちゃんと動くかどうかを確認します。

物件調査時に修理すべき設備のリストを作成していても、見落としていたり、調査時にはチェックできなかったりなど、追加で修理が必要になるものが出てくることでしょう。

修理・交換・増設には、お金が掛かります。
リフォームのための予算も無限ではありませんので、ある程度の妥協は必要です。

生活インフラは確実に直すべき

水回りやエアコン・暖房に関しては、壊れてしまっていたら修理や増設が必要です。
入居者さんの生活に支障が出てしまいますし、これらの生活インフラが壊れている住宅では、そもそも入居してくれる人が見つからないでしょう。

エアコン・暖房に関しては、数か月単位の引き伸ばし作戦は可能です。
内見者さんが来たら、不動産屋さんに次のように言ってもらうようにします。

「今はエアコン(または暖房)が付いていませんが、『シーズンの一か月前には入れます』と大家さんは言っていますよ」

こうすれば、入居者さんが決まってから導入すればいいので、少しは資金繰りに余裕ができます。

照明器具に関しても、入居者さんに用意してもらうようにすれば、設備投資額を少しは減らせます。

網戸の破れや各部屋のドアの立てつけは日曜大工で直せる範囲なので、自分でやってしまってもよいでしょう。

生活に支障が出ない設備は先送りも可能

生活に支障が出ない範囲の不具合については、のちのち直すことを視野に入れて、当面はそのまま使ってもらう事も可能です。

このようにある程度の線引きをして、当初想定していたリフォーム費を大きく超えないようにしましょう。

入居者さんの要望を聞くことは重要ですが、資金繰りを考える事も同じくらい大事です。

「生活に支障が出るような不具合に関しては即時対応する」
という考え方が望ましいと、私は思います。
「使い勝手が悪いから直して欲しい」という入居者さんからの要望全てに応えていると、お金がいくらあっても足りません。

入居後の話になりますが、
「これを直してくれないのなら、出ていく」
と言われるとツラいところです。
そのような場合は、家賃の値下げなどで対応する事もできます。

リフォーム業者さんの探し方

リフォーム業者さんを見つける方法ですが、私の場合は以下の3種類を組み合わせています。

1つ目は、物件の最寄りの「シルバー人材センター」に見積もりを依頼する方法。
2つ目は、「タウンページ」で、その物件近辺の工務店さんを探す方法。
3つ目は、購入時に仲介してくれた不動産屋さんや、入居者募集や管理業務をお願いしようとしている不動産屋さんに、
「このようなリフォームをしたいのですが、良い業者さんを知りませんか?」
と相談する方法です。

各都道府県の「土建組合」(土建一般労働組合)から探していた時もありましたが、情報が古かったり探しにくい事が多かったので、最近では利用していません。

シルバー人材センターは、工務店さんよりも安い場合が多いですが、工事期間が長かったり、メールでのやり取りが難しい、というデメリットがあります。

「どうしても費用を安くしたいが、日曜大工を行っている余裕も時間も無い。」
という場合だけ、私はシルバー人材センターを利用しています。

B) 室内の見ばえを良くする

入居者さんに気に入ってもらうためには、
「意外とキレイだな」
と思ってもらう必要があります。

「意外と」という点がポイントです。
新築住宅と比べてしまうと最初から勝ち目がありませんが、入居者さんにとっての中古住宅の最大のメリットは、
「家賃が安い事」
です。

新築のように「全てがピカピカ」という状態に持っていく必要は全くありません。

「汚いわけではない」という程度の清潔感を入居者さんに感じてもらうことが一つの目安です。
そうすれば、言い方は悪いですが「安い家賃」を目当てに借りてもらえる可能性は非常に高くなります。

「壁」をキレイにする

「見ばえ」とは具体的には、室内の壁、天井、床、畳、ふすまなどの状態のことです。

中でも、売主さん(または前の入居者さん)の生活の痕跡が最もよく残るのが、「壁」です。
手垢や水分、壁紙のハガレなど、前の住人の汚した跡がくっきり残っているような状態では、入居者さんに契約していただくことは困難です。

壁のリフォームで、一番キレイに仕上がるのは「壁紙(クロス)の張り替え」です。
壁紙ほどではありませんが、安くてそこそこキレイに仕上がるのが「ペンキ塗り」です。

4部屋ほどある中古戸建を例にして工務店に依頼すると、壁紙張り替えの費用は約30万円です。
ペンキ塗りを依頼してもその半分、15万円くらいは掛かると予想されます。

「DIY」(日曜大工)で壁をリフォーム

時間と体力に余裕があれば、日曜大工で壁をキレイにすることも可能です。
日曜大工は慣れるまでが大変ですが、工務店の費用の半分から3分の1で済ませることができます。

分からないことがあれば、ホームセンターの店員さんや、日曜大工が趣味の職場の同僚などに質問してみましょう。

ペンキ塗りに失敗しても、「ペンキ落とし」がホームセンターで売っています。
気にせずトライあるのみです。
失敗した上から二度塗り・三度塗りすると、むしろ見た目はキレイになります。

壁紙を自分で貼る場合も、失敗したらはがして、もう一回貼ればいいだけです。
材料費が余計に掛かってしまったとしても、工務店さんに払う費用に比べれば安いものです。

リフォームのスキルは、一度身に付いたら一生使えるスキルです。
工務店さんの苦労も身にしみて分かります。

クッションフロアで床をリフォーム

フローリングの床が汚れていて、掃除しても落ちない場合は、上からクッションフロアを貼ると隠せます。
クッションフロアや接着剤をホームセンターで買っても、6畳の部屋なら1万円程度でおつりが来ます。

ただし床に穴が開いてしまっているような場合は、その部屋の床全体を張り直した方が無難です。
さすがに床の貼り直しは、工務店さんに頼んだ方が安全で確実です。

いぐさシートで和室をリフォーム

畳も、日焼け程度でしたら、ホームセンターで売っている「いぐさシート」を上に貼るだけで、見た目は新品のようになります。
湿気やネズミの被害などでボロボロになってしまっているようでしたら、畳屋さんに替えてもらうしかないですが。

ふすまも日曜大工でリフォーム

ふすまや押し入れの張り替えも、日曜大工で十分に対応可能です。
どうしてもキレイに仕上げたければ、リフォーム業者さんやシルバー人材センターに依頼しても良いでしょう。
ふすまや扉に穴が開いてしまっていたり、立てつけが悪かったりする場合は、建具屋さんに修理を依頼しましょう。

キッチンは水拭きでもそこそこキレイに

キッチンの壁やシンクなどは、雑巾で水拭きするだけでもキレイになります。
キッチン用洗剤を雑巾につけて水拭きするとさらに効果があります。
サビがそれほど目立たないようでしたら、キッチン交換は先送りしても良いでしょう。
キッチン交換は安く見積もっても50~60万円は掛かります。


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