火災保険3タイプの掛け金・保障額を比較(中古戸建限定)

既に不動産を所有している人の中で、「火災保険なんて必要ないよ。」と考えている人などほとんどいないだろう。
多額の借金をして建てたアパートや持ち家が火事で燃えてしまった場合、火災保険がなければ借金だけが残ってしまうからだ。

この記事では「安さ」と「保障額」という2つの観点から、3種類の火災保険を比較する。

比較表

まずは3種類の保険の比較表。

  費用(掛け金) 火災の保障 風水害の保障 地震の保障
都道府県民共済 16,800円 2100万円 600万円 105万円
全労災 49,350円 2100万円 1470万円 630万円
東京海上日動 45,812円
※5年一括払い
1730万円
※損害額
1730万円
※損害額
865万円

※建物面積30坪木造2階建ての場合、最大で受け取ることのできる金額。

「とにかく安い掛け金がいい!」という人は、都道府県民共済を選ぶべきだ。他の2つと比べて年間掛け金は半額以下にもかかわらず、火災時に受け取れる金額は全労災と並んでNo.1だ。

風水害や地震の可能性が高い地域に物件を持っている場合は、東京海上日動が望ましい。火災の保障額は他の二つに劣るものの、風水害・地震への保障は手厚い。

全労災にはこれといったメリットが見当たらない。

以下、各会社の詳細を見ていく。

【安さ追求】都道府県民共済「新型火災共済」

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※出展:全国生協連

「とにかく安い保険がいい!」という人にとって最適な選択肢は、「都道府県民共済」だ。

保険が営利目的の事業であるのに対し、共済は非営利目的の事業体となる。
保険は不特定多数の顧客への保障制度だが、共済は組合員を対象とした相互扶助である。
そうは言っても、保険と共済は同じようなものと考えても差支えはない。

共済にも全労災、JA共済、コープ共済、都道府県民共済など、様々な運営主体のものがある。ここでは都道府県民共済を採りあげる。

都道府県共済はその名の通り、各都道府県ごとに運営主体が分かれている。
あなたが東京都に住んでいるのならば、東京都民共済に加入することになる。
大阪府に住んでいたなら大阪府民共済、北海道に住んでいるなら北海道民共済、埼玉県に住んでいるのなら埼玉県民共済と、住所によって加入先が変わる。

費用(掛け金)

保険であっても共済であっても、

  • 建物面積(延床面積)
  • 構造
  • プラン
  • 保障限度額
  • 支払期間

などによって費用(掛け金)は上下する。

ここでは、

建物面積 30坪(約100平米)
構造 木造2F建て
プラン 新型火災共済(標準)
保障限度額 2100万円
支払期間 年払い
所在地 埼玉県

として算出する。

この場合の年間費用(掛け金)は16,800円となる。

保障内容

共済は費用(掛け金)が安いということもあり、保障内容も保険に比べれば軽いものとなっている。

火災等

fire

火災等によって家屋の70%以上が焼けてしまった場合は「全焼」として扱われる。
前述の内容(30坪・木造2階建て等)で加入していた場合に受け取れる金額は、保障限度額の2100万円となる。

消失割合が70%未満の場合は、「部分焼」として扱われる。
損害額が算出され、加入者には再調達価格が支払われる。

建て替えの間の引越費用等にあてる名目で、「臨時費用共済金」も支給される。
支給金額は、保障限度額の20%または200万円のいずれか少ない方となる。
保障限度額が2100万円の場合、20%は420万円となり200万円を超えてしまうため、200万円が支給されることになる。

その他、漏水や失火によって近隣に損害を与えた場合も「見舞金」として、第三者1世帯につき最高40万円(合計100万円以内)が支払われる。

風水害等

flood

台風、豪雨、洪水などで住宅が損害を受けた場合、被害の度合いによって加入者に共済金が支払われる。
保障限度額が2100万円の場合、全壊は600万円、半壊は300万円、一部破損は損害額に応じて一定の金額を受け取ることができる。
ただし、損害額が10万円未満の場合は支払いを受けることはできない。

地震等

tremor

地震等により住宅が半壊以上の被害を受けた場合、「地震等見舞共済金」として保障限度額の5%を受け取ることができる。
保障限度額が2100万円の場合は、105万円となる。

ただし、共済加入者全体に支払う見舞金が1000億円を超えた場合は、減額されることがある。

【当て馬】全労災「住まいる共済」

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※出展:全労災

「全労災」とは、「全国労働者共済」の略称である。「都道府県民共済」と同じく共済の一種だ。「労働者」という名前が付いているが、自営業者でも加入はもちろん可能。
都道府県民共済よりも風水害や地震に対する保障が手厚く、民間の保険会社よりは年間掛け金が安いという特長がある。
地震リスクをカバーしたいが、保険会社の地震保険には入りたくないと感じている人には向いている。

費用(掛け金)

建物面積 30坪(約100平米)
構造 木造2F建て
プラン 住まいる共済(自然災害共済大型タイプ)
保障限度額 2100万円
支払期間 年払い
所在地 埼玉県

として費用(掛け金)を算出する。

この場合の年間費用(掛け金)は49,350円となる。

保障内容

「火災共済」単体の年間費用(掛け金)は14,700円と、都道府県民共済よりも安い金額だ。
しかし、地震保険を含む「自然災害共済大型タイプ」が34,650円と高額になっている。
「自然災害共済大型タイプ」に入らなかった場合、風水害被害にあった場合に受け取れる金額は半額未満となる。

火災等

火災等によって家屋の70%以上が焼けてしまった場合は「全焼損」として扱われる。受け取れる金額は、保障額の2100万円となる。

消失割合が70%未満の場合は、「半焼損」または「一部焼損」として扱われる。損害額が算出され、加入者には再調達価格が支払われる。

建て替えの間の引越費用等にあてる名目で、「臨時費用共済金」も支給される。支給金額は、保障額の15%または200万円のいずれか少ない方となる。
保障額が2100万円の場合、15%は315万円となり200万円を超えてしまうため、200万円が支給されることになる。

失火によって近隣に損害を与えた場合も「失火見舞費用共済金」として、第三者1世帯につき最高40万円(合計100万円以内)が支払われる。
漏水によって近隣に損害を与えた場合は「漏水見舞費用共済金」として、第三者1世帯につき最高15万円(合計50万円以内)が支払われる。

風水害等

台風、豪雨、洪水などで住宅が損害を受けた場合、被害の度合いによって加入者に共済金が支払われる。
保障額が2100万円の場合、全壊(70%以上)は1470万円、半壊(50%以上)は1029万円、一部破損は損害額に応じて一定の金額を受け取ることができる。
ただし、損害額が10万円未満の場合は支払いを受けることはできない。また、共済加入者全体に支払う見舞金が480億円を超えた場合は、減額されることがある。

地震等

地震等により住宅が全壊(70%以上)した場合、「地震等共済金」として630万円を受け取ることができる。
ただし、共済加入者全体に支払う見舞金が2700億円を超えた場合は、減額されることがある。

【充実の保障】東京海上日動火災「住まいの保険」

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※出展:TOKYOビル景

都道府県民共済は年間費用(掛け金)が安いものの、地震に対する保障額が少ないという難点がある。
風水害等に関する保障額も心細く、10万円未満の損害は保障対象外という問題もある。

有事の際の安心感を優先するなら、保険会社の火災保険の方が心強い。

会社の説明

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※出展:TOKYOビル景

東京海上日動火災は、2004年に東京海上と日動火災が合併してできた保険会社である。
東京海上は1879年創業、貨物保険・船舶保険を中心業務としていた保険会社であった。かたや日動火災は1898年創業、火災保険を中心業務としていた。

費用(掛け金)

建物面積 30坪(約100平米)
構造 木造2F建て
プラン 住まいの保険(+地震保険)
保障額 1730万円(評価額)
免責額 0円
支払期間 5年一括払い
所在地 埼玉県

として費用(掛け金)を算出する。

この場合の年間費用(掛け金)は45,812円となる。
年間の掛け金の内訳は、火災保険が27,024円、地震保険が18,788円となっている。

共済と違い火災保険では、長期の一括支払が可能だ。
保険会社によって異なるが、5年一括払いにすることで掛け金は15%~20%安くなる。
仮に5年未満で入居者が退去してしまった場合でも、解約することで残存期間に応じた解約返戻金を受け取ることができる。

なお、5年分の掛け金の一括費用(掛け金)は229,060円である。

保障内容

火災・風水害等

火災・風水害等によって家屋の30%以上が被害を受けた場合、「損害額(修理費)-免責額」を受け取ることができる。
保障の限度額は1730万円となる。

「免責額」は契約時に0円、5千円、3万円、5万円の中から選ぶことが可能だ。
免責額が高いほど保険会社の負担も低くなるため、結果として掛け金も安くなる。
この例では免責額を「0円」で設定している。

地震等

地震等により住宅の主要構造部の損害が50%以上、または焼失した床面積が70%以上の場合、「全壊」として認定される。
全壊の場合、865万円を受け取ることができる。
ただし、損害保険会社全体が支払う保険金が7兆円を超えた場合は、減額されることがある。

まとめ:安さで選ぶなら共済、保障額なら東京海上日動火災

あらためて比較表を掲載する。

  費用(掛け金) 火災の保障 風水害の保障 地震の保障
都道府県民共済 16,800円 2100万円 600万円 105万円
全労災 49,350円 2100万円 1470万円 630万円
東京海上日動 45,812円
※5年一括払い
1730万円
※損害額
1730万円
※損害額
865万円

※建物面積30坪木造2階建ての場合、最大で受け取ることのできる金額。

補足

都道府県民共済および全労災では、10万円の免責が設けられている。
風水害等で損害を被ったとしても、損害額が10万円に満たない場合は支払いを受けることができない。
東京海上日動などの保険では免責額を「なし」に設定することも可能だ。ただし、その分掛け金は高額になる。

都道府県民共済は、火災時に特化した保障と言うことができる。他と比べても圧倒的に安い。

東京海上日動は、免責額を0円に設定できる点と、地震保険の保障の手厚さが魅力だ。複数年一括払にすることで、掛け金の割り引きを受けられる点も見逃せない。複数の他保険会社にも見積もりを取ったところ、年間の掛け金が41,000円台の会社もあった(セコム損害保険)。

全労災は、都道府県民共済よりも風水害や地震に対する保障が手厚い。ただし、複数年払いによる割引が受けられないため、年間の支払額は東京海上日動よりも高額になってしまう。都道府県民共済よりも手厚い保障を受けたいが、一括で何十万も掛け金を支払いたくないという人に全労災は向いているかもしれない。また、「自然災害」を付けないで「火災共済」単体のみの契約であれば、都道府県民共済よりも安くなる。

※詳細や実際の受け取り額等に関しては、当方では一切の責任を負いません。各運営団体にお問い合わせください。



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