「商売ではお客様の立場に立って考えなければいけない!」とはよく聞きますが、実行に移すのは難しいものです。
この記事では、「良い物件の条件とは?」という調査の結果をもとに、入居者の立場に立った空室対策を考えます。
Q. どんな条件が良いお部屋だと考えますか?
マイナビが実施した「どんな条件が良いお部屋だと考えますか?」という調査によると、
- 1位:「駅からの近さ」
- 2位:「防音性」
- 3位:「家賃の安さ」
という結果が分かっています。
Q.あなたは、「良い物件」とはどんな条件が良いお部屋だと考えますか?(複数回答可)
第1位 | 駅までの距離が近い | 55.8% |
---|---|---|
第2位 | 防音効果が高い | 46.0% |
第3位 | 家賃が安い | 43.2% |
第4位 | セキュリティに優れている | 38.6% |
第5位 | 耐震性に優れている | 38.2% |
第6位 | 築年数が浅い | 32.2% |
第7位 | 通勤先が近い | 22.0% |
第8位 | 近くに24時間営業のコンビニがある | 19.0% |
第9位 | 省エネ物件 | 18.2% |
第10位 | パーキングが近くにある | 7.4% |
※出展:マイナビ賃貸
1位)駅までの距離が近い
「駅から近いと毎日の通勤や買い物ですごく便利だからです」(29歳/女性/その他)
「駅から遠いところは、疲れて帰るのにはつらい」(50歳/男性/情報・IT)
ダントツの1位は「駅からの近さ」です。
これは、既に購入済の物件ではどうしようもない気が・・・。
政治家が新幹線の駅を実家の近くに誘致した、などという都市伝説は聞いたことがありますが、イチ個人投資家にとっては実現可能性がとてつもなく低い話です。
「駅近神話」は電車社会においては通用するかもしれませんが、多くの中古戸建が立地している車社会においては、必ずしも正しいとは言い切れません。車社会では、駐車場の有無や、車で気軽に行けるショッピングセンターの有無などの方が、立地要素としては強いです。
「駅近」については、電車社会の地域にアパートを新築したり、通勤者向けの区分マンションを購入したりする場合には、考慮すべき点と考えられます。
2位)防音性
「隣りの生活音は極力聞こえてほしくないし、自分も他人に聞かせたくない」(29歳/女性/小売店)
「防音効果が低いところは周りの生活音が聞こえまくって心休まらないので」(20歳/女性/その他)
「家にいる時は常にステレオで音楽を聴いてるから」(24歳/女性/医療・福祉)
2位は「防音性」です。
プライバシーや精神衛生上の観点から重視されます。
中古戸建には、上下左右の音を気にしなくて良いという利点があります。
一方木造住宅の特性として、道路に面している部屋は通行人の声が室内まで響いたり、同居家族の生活音が聞こえやすいというデメリットはあります。
壁・扉・窓を防音化するという方法もありますが、コストが高すぎます。
3位)家賃の安さ
「家賃が高くて家計を圧迫すると、生活全体がぎすぎすしてしまいそう」(29歳/女性/食品・飲料)
「家賃が安ければ、他にお金を費やして豊かな暮らしができる」(29歳/男性/電機)
「家賃負担は安ければ安いほどいい」(37歳/男性/その他)
3位は「家賃の安さ」です。
私は、「家賃の安さ」が1位か2位だろうと考えていましたが、意外にも低い順位にランクインしていました。
裏を返せば、防音性(2位)やセキュリティ(4位)や耐震性(5位)など他の条件が優れていれば、家賃はそれほど重視されない、と言うこともできます。
築年数が経過していても家賃を維持している物件は、効果的な設備投資を実施している傾向があります。
4位)セキュリティに優れている
センサーライト、カメラ付きドアホン、オートロック、ディンプルキー、サムターン防止キーなどの設備を挙げることができます。
または、アパート自体がセコムのような侵入検知サービスへ加入しているような場合も当てはまります。
5位)耐震性に優れている
これも、既に購入済の物件ではいかんともしがたい条件です。
耐震工事を実施するとなると数百万円のお金が必要になります。工事を実施したところで家賃を倍にできるわけでもありません。
数百万円のお金があれば、別の物件を購入した方が良い気もします。
6位)築年数が浅い
建て直すか、違う物件を購入するしかありません。
7位)通勤先が近い
運です。特に気にする必要はありません。
8位)近くに24時間営業のコンビニがある
「近く」の定義が分かりませんが、せいぜい徒歩1分くらいを指していると思われます。
コンビニがない場所であってもコンビニが新しく建設される可能性があるため、運の要素も大きいです。
第1種低層住居専用地域の場合はコンビニが建築できないので、物件購入時には用途地域の確認が必要です。
1階が店舗の物件を所有している場合は、1階のテナントにコンビニを誘致することで、物件の魅力アップとコンビニのテナント料という一石二鳥を狙うことも可能です。
9位)省エネ物件
これは何のことを言っているのか分かりません。
太陽電池や燃料電池や断熱性等のことを言っているのかもしれませんが、そんなに高価な設備が導入されている物件であれば人に貸さずに自分で住む人が多いと思います。
10位)パーキングが近くにある
知人等が遊びに来た時、駐車スペースが足りなくなることもあるでしょう。
そんな時、コインパーキングがあると便利です。
まとめ
「入居者が考える良い物件の条件」は、区分マンションの購入やアパートを新築する際には大いに参考になりそうです。
既に物件を持っている人にとっては、リフォームや物件チラシ作りの際に参考になるかもしれません。