2016年11月19日、渋谷で開催された「空き家がペット共生シェアハウスに大変身」というセミナーに参加してきた。
主催は、HOUSE-ZOO株式会社というペット飼育可シェアハウスを複数運営している会社だ。
会場
会場は、渋谷駅から10分ほど歩いた所にあるマンションの一室。
リノベーション済の内装は築50年超えとはとても思えなかった。写真を撮り忘れたのが残念。
「空き家がペット共生シェアハウスに大変身」セミナー
私以外に二人の参加者が来る予定だった。しかし、開始時間を過ぎても誰も来ない。当日は雨だったということも影響していたかもしれない。
結果、講師の方と私のマンツーマンという形になった。
以下、セミナー内容の覚書。
空き家について
シェアハウス事業を始めたのは、「空き家を解体するのはもったいない」という気持ちから。
空き家が発生する理由としてよく語られるのは、
- 更地にすると固定資産税が高くなるから
- 立地が悪くて借り手がいない
- 間取りが広くて大きい家のためニーズに合わない
というものがある。
しかし、本当の理由としては「特に何も困っていないから」ということが大きい。
これは空き家の持ち主の生の声。
収入が少ないなど、本当に困っている人は早めに動く。
賃貸に出したり、売却したりする。
空き家を持っていても特に困っていない人は、放置してしまう。
放置して人が住まなくなると、空き家は数年で使い物にならなくなってしまう。
5年も空き家の状態が続くと大抵の家は朽ちてしまう。早いと2~3年でダメになる。
2015年時点で、7軒に1軒が空き家。
2030年には、4軒に1軒が空き家になると予想されている。
ちなみに東京都渋谷区でも2016年現在、12%が空き家。
大きな土地をそのまま売っても、値段が高くて買い手が少ない。
大きな土地は小分けして売られる傾向がある。
結果、新築住宅がどんどん増える。
空き家も増える。
シェアハウスの現状
2015年現在、シェアハウスの部屋は全国に22,000室あると見られている。
シェアハウスに住んだことがある人は、全体のたった2%。
20代女性の3人に1人はシェアハウスに住んでみたいと考えている。
専業主婦や自由業の7割はシェアハウスには抵抗がある。
シェアハウスを選ぶ人が理由として挙げるものには、
- 初期費用が安いから。
- 家賃が安いから。
- 家具が付いているから。
というものが多い。
ペット可シェアハウスの可能性
2015年現在、国民の10~15%がペットを飼っている。
24%がペットを飼いたいと考えている。
駅から多少離れていたとしても、犬を散歩しやすい環境が近くにあれば、ペット可シェアハウスを運営できる可能性がある。
店舗付住宅や再建築不可物件をリノベーションしてペット可シェアハウスにした例もある。
シニア向けシェアハウス
60代女性などを対象としたシニア向けシェアハウスを運営している会社もある。
シニア向けシェアハウスでは、各室にトイレが必須。
融資について
西部信用金庫ではシェアハウスのリノベーションにリバースモーゲージを利用できる。
※リバースモーゲージは通常、本人がその家に住んでいる必要がある。
シェアハウスのリノベーション費用の資金調達には、地元の信用金庫を利用する人が多い。
ご近所トラブル対策
新築やリノベーションが完了した後、近所の人も呼んでお披露目パーティーを開催する。
たこ焼きパーティ-、バーベキュー、各部屋を貸しスペースにしてマッサージ師やカメラマンの個展などを開いたりしたこともある。
認知度・親密度を上げることでトラブルの発生率を下げることができる。
シェアハウスの立地条件
都内近郊・特急停車駅から徒歩15分が限度。できれば10分以内。
ちなみに、各駅停車しか停まらない埼玉県の物件では、駅徒歩7分程度にも関わらず稼働率は60~70%。※オープン後6年
他のペット可シェアハウスでは9割~10割の稼働率を維持している。
オープンから満室になるまで半年は見ておいたほうがよい。
まとめ
既存の中古戸建てをシェアハウスに転換するには、「寄宿舎」への用途変更申請、既存不適格部分の改修工事などが必要だ。さらにリビング・キッチン・各居室・外装のリノベーションも含めれば、ペット可シェアハウスの運営をスタートするために必要な費用は一千万を軽く超える。
9割以上の稼働率は魅力だが、ハイリターンの物件を手に入れるにはそれなりの投資が必要ということだ。