世の中にはセミリタイアや早期退職を希望している人が多いのかもしれない、と思えるような調査結果を目にした。
20代~60代の男女(就業者)のうち、約半数が「できるなら働きたくない」と考えているそうだ。
全国20~60代有職者の男女858人に、「できるなら働きたくない」と思っているかの調査を実施。その結果、なんと51.2%もの人があてはまると回答した。
(中略)
一番多い割合なのが30代男性で、59.8%もの人が該当。
(中略)
20代では男性が4割と少ないのに対し、女性は6割近くとかなり多い結果だ。
※出典:しらべぇ
現実としては、
- 生活費や収入が心配
- 世間体や周囲からの反対
- 将来への漠然とした不安
このような理由から、現在の仕事を抜け出せない人のほうが圧倒的に多い。
「セミリタイア」「アーリーリタイア」「早期退職」などに興味を持っているにもかかわらず実行に踏み切れない。そんなあなたの背中を押すために、この記事ではセミリタイアについてよくある質問と回答を紹介する。
Q1. セミリタイアするために貯金はいくら必要?
A1. 多いほうがよいが、少なくてもなんとかなる。
最もよくある質問。
回答は、「多いほうがよいが、少なくてもなんとかなる」。つまり、あなた次第ということになる。
ファイナンシャルプランナーがよく使う模範回答は、
「平均余命×一年間の生活費+α(アルファ)」
というものだ。
プラスアルファは、病気や介護などの突発的な出費だ。
実際は、平均余命よりも長生きしてしまう可能性もある。物価上昇で生活費が高騰してしまう可能性もある。プラスアルファが数億円になる可能性もある。
つまり、「●●●●万円あれば大丈夫」などという正解は存在しない。
セミリタイアでは仕事から完全に退くことは想定していない。
「セミ(semi=半分)」という言葉が頭に付いているのだから当然そうなる。
セミリタイアでは、生活に必要な範囲内で働くことが前提となる。
体を壊さない程度に、無理なくお金を稼ぐ方法はいくらでもある。
自営業でもパートでもアルバイトでも、自分に合った働き方を続ければよい。
Q2. 世間体や周囲の声が気にならない?
A2. 気にするな!
世間体や周囲の声が気にならない人など、この世に一人もいない。
無人島のような場所で一人で暮らしているのだったら、話は別だが。
結局のところ、「世間体や周囲など気にするな!」としか言えない。
一度きりの人生だ。法を犯さない程度に自由に生きればいい。
「セミリタイア」「アーリーリタイア」と聞くと「無職」を連想してしまう人が多いが、多くのセミリタイア実践者は何らかの経済活動をおこなっている。
私のように不動産賃貸業を営んでいる者。
アプリや電子書籍を販売している人。
インターネット上で広告収入を得ている人。
株式・債券・預金等から配当・利子を得ている個人投資家。
週3日~4日のパート・アルバイトで勤労収入を得ている人。
活動内容は千差万別だ。
「どんなお仕事をされているのですか?」と質問されたら、上記のような仕事内容を伝えれば事足りる。
ただし質問者の中には、仕事の安定性や収入の高低で人の価値を測るような人間もいる。
不愉快な思いを避けたいのであれば、「個人的な内容なので…」と答えをはぐらかした方がいいかもしれない。
「大企業の正社員の座を捨てて不安定な自営業者になるなんて、周囲が許さない!」などと考えている人は、結局のところ、自分がそう考えているのである。
周囲のせいにする前に、自分の考え方を変えてみてはどうか。
Q3. 毎日なにしてるの?
A3. 質問の意図による。
このような質問をしてくる相手の意図は、以下の二つに大きく分類できる。
- どうせ毎日ヒマなんだろ?というイヤミ
- 純粋な疑問・興味
相手の質問の意図を探るには、「あなたは毎日なにをしているんですか?」と質問返しをしてやると手っ取り早い。
1. イヤミの場合
相手から、
「仕事漬けの毎日ですよ。」
「趣味のための時間も取れません。」
「週末は寝てばっかりです。」
などの答えが返ってくるようであれば、1.の「イヤミ」である可能性が高い。
なぜならこのような人々は、ガムシャラに仕事に取り組んでいない人間に対して、あまりよい感情を持ってない場合が多いからだ。
このような相手にマトモに答える必要はない。
「いろいろと忙しいです。」などと適当にお茶を濁しておけばいい。
2. 純粋な疑問・興味の場合
「あなたは毎日なにをしているんですか?」の質問返しに対して、平日の仕事が終わった後の話や、週末におこなっている趣味の話をしてくるようであれば、2.の「純粋な疑問・興味」である可能性が高い。
このような人々は、労働時間を減らして生活の質を高めることに興味を持っている場合が多い。
このような相手に対しては、実際にどんな生活をしているかを伝えても、不愉快な思いはすることは少ないだろう。
なお、多くのセミリタイア実践者は、
- 読書
- ブログ
- 旅行
- テレビ
- 映画
- ゲーム
- 語学
- 楽器演奏
- 運動
- ボランティア
- (半分趣味の)仕事
などの活動に時間を費やしていることが多い。
Q4. 孤独を感じない?
A4. そのうち慣れる。
私たちは子どもの頃から常に、学校や会社などの組織に所属してきた。
所属や肩書きがなくなったり、誰かの役に立っているという実感を失ったりすると、人は孤独に耐えられないという話もある。
結論としては、「そのうち慣れる」ということだ。
私も前職退職後、仕事を終えた人々が行き交う地下街を歩いていて「日本経済に貢献してなくてすみません!!!」という気持ちになったことがある。
しかし半年ほどたつと、さほど気にならなくなった。
考えてみれば、日々の生活で食料品を買ったり、消費税を払ったり、年金や健康保険を支払ったりしている時点で、既に経済に貢献しているといえる。
そもそも、収入や消費や納税額の多寡で社会貢献度が決まるという考えは、思い上がりもはなはだしい。
Q5. 東南アジアとか物価の安い国に住めば?
A5. 向き不向きがある。
私は退職後には、マレーシアやカンボジアなどの国で3ヶ月以内の滞在を繰り返そうと考えていた。
実際、在職中にそれぞれの国に約一週間ずつ滞在してみた。
結果的に、これらの国での数ヶ月間の長期滞在は難しいと感じた。
まず、常に摂氏30度以上という熱帯性気候が苦手だった。湿度も高く、衛生面にも不安があった。
また、数ヶ月間滞在したとして何をすればいいのか、という問題も残った。
事業をおこす、語学を学ぶ、その国独自の文化や技術を学ぶ、などできることはいくらでもあるだろう。しかし、これらの国に対してあまり興味を持てなかったというのが実際のところだ。
「東南アジアが好き」
「安宿めぐりが好き」
「暑い場所が好き」
など、東南アジアが大好きな人であれば「外こもり」(※)も楽しいかもしれない。
※外国で引きこもりのような生活をすること。
まとめ:歳とった時の為に生きてんの?
「歳とった時の為に生きてんの?今を生きようよ」と言った人がいる。
彼の新自由主義的思想は全面的には支持できないが、共感できる部分もある。
老後が心配とか、セミリタイアには●億円必要とか、そういった話はまったく本質的ではない。
要は、生活費を上回る収入を会社以外から得られるようになればいいだけの話だ。