「結婚相手に望む年収は?」という質問に、
「一千万円以上!」
などと答える若い女性たちが叩かれることがよくある。
「現実を見ろ」
「年収一千万円以上なんて男全体の6%(※)だ」
「お前は上位6%の男に値する、上位6%の美人か?」
などが批判の理由だ。
※出典:(国税庁)平成25年分・民間給与実態統計調査
しかし、この発言は単純に「夢見がちな女子のたわごと」として切り捨てて済む話ではない。
少なくとも以下のような疑問が残るからだ。
- この女性たちは本当に現実が見えていないのだろうか?
- 発言の一部が切り取られているだけで、本当は納得できる理由があるのではないか?
- 現実が見えていないのは、彼女らを批判している男たちの方ではないのか?
結論からいうと、結婚相手に年収一千万以上を望むのは将来の母親としてはしごく真っ当な行動、といえる。
以下、その理由をのべる。
叩かれる女性陣
結婚相手に年収一千万円以上を求めて叩かれていた例を挙げる。
結婚相手の年収は「1千万じゃ少ない」
(某アイドルは)将来結婚する相手に求める年収についてきかれ、「そりゃ、多ければ多いほどうれしいですよ」とコメント。「最低、1千万……じゃ、ちょっと少ない。美味しいものが食べたいんです。いいものが着たい。それだけです」と年収1千万円以上が希望だと明かした。
※出典:日刊スポーツ
対する反応。
- 年収1000万以上ないと嫌だって、一般社会でそのくらい収入のある人間ってどれだけいると思う?自分のファン層を考えてコメントしたほうがいいよ。
- 自分で稼げ。
- 老人既婚含めて、年収1千万以上のサラリーマンは1.2%くらいなので個人経営で探せ。
※出典:NAVERまとめなど
「年収1000万円以下の男性と付き合うのは時間の無駄」
(某タレントは)子どものときに、お金のことで喧嘩する両親を見て、「お金持ちの人と結婚しよう」と決意。
結婚相手の条件として、「年収1000万円で充分」というが、そんな男性はなかなかいない。
さらに「年収は1000万円で貯金は3000万円」と大きくでた。
※出典:ニコニコニュース
以下、発言に対する反応。
- 年収1000万オーバーな奴なんて良くも悪くもみんなサイコパスっしょ。結婚できたとしても苦労すると思うよ。
- 1000万以上の相手と付き合っていたのに幸せになってないんですがそれは。
- 本当に賢い女なら年収1千万円以上稼ぐ「可能性のある」男性と20代の内に結婚する。
「結婚条件5000万円」やめました 年収最低2000万円でOK
(某モデルタレントは)結婚相手に求める年収について「最低でも2000万円」と出演したテレビ番組で発言した。
ネットでは「身の程知らず」などと批判を浴びているのだが、実は数か月前に「5000万円」と発言したばかり。大幅な下方修正がされたことになる。
※出典:JCASTニュース
以下、反応。
- そんだけ稼ぐのがどんだけ大変か分かってない。
- (前回の5000万円から)一気に下方修正されたな。
お金がないと心が貧しくなるから、相手の年収は一千万万以上欲しい
- ランチの時に隣の席で「お金がないと心が貧しくなるから、貧乏は絶対嫌だ。結婚相手の年収は1000万以上欲しい」と、言ってる女性がいた。気持ちはわかるけど、その考えだと選ばれるのは難しいんじゃないかなと思った。
- そもそも年収1000万じゃ煌びやかな生活は送れなくない…?という疑問が浮かびます。
- どうして、じゃあ自分で1000万稼ごうっていう考えに至らないのかな?
※出典:togetter
東大生の保護者の平均年収は一千万円超
以上を見る限り、女性陣が無茶なことを言ってるだけのようにも見える。
しかし子育て・教育という面で考えるなら、(世帯)年収一千万円を望むことはそれほど罪な話ではない。
以下のように、親の年収と子どもの学歴には相関性が認められているからだ。
1990年には東大生の保護者の平均年収がはじめて1000万円を越え、それ以降ほとんど変わらぬ事実となっている。
もちろん、東大に入ったからといって人生の成功が約束されるわけではない。
ただし、一流企業の幹部候補や高級官僚を目指すのであれば、学歴は高ければ高いほど望ましい。
親の年収が高いほど大学進学率が高く、高学歴ほど生涯賃金が高いという現実
さらに文部科学省のレポートには、次のような記述がある。
両親の年収が高いほど,4年制大学への進学率が高くなり,高校卒業後就職する割合が低くなっています。
(略)
経済的な要因により教育費が家計を圧迫し,進学に影響がある可能性も考えられます。
(略)
どのような学校段階に進んだかは,卒業後の就業状態や所得などに影響します。
子どもの将来を考えるなら、年収の多い相手を結婚相手に選ぶ行為自体は間違ってはいない。
「年収1千万」というのは単にキリのいい数字であって、額自体にたいした意味はないのであろう。
要は、「結婚相手の年収は多ければ多いほどいい。けど、億単位は現実味がないから一千万くらいにしておくか。」ということを女性たちは言いたいのではないだろうか。
実際は年収一千万でさえ現実的ではないのだが…。年収一千万円以上の給与所得者は全体の約6%。
出典:(国税庁)平成25年分・民間給与実態統計調査
まとめ:結婚相手に年収一千万以上を望むこと自体は間違っていない
子どもの幸せを願う親としては、わが子に高学歴を身に付けさせたいと思うのは当然のことだ。
そのほうが、職業選択の際に有利な立場に立てるからだ。
そして、高学歴を身に付けさせるためにはお金が要る。
このように考えれば、結婚相手探しの時点で年収の高い男性を探す行為も間違いとはいえない。
ただし、結婚相手に年収一千万以上を望む女性陣に突っ込みどころが多いのも事実だ。たとえば、以下のような点が挙げられる。
- 結婚相手の男性が10年後・20年後も同じ年収を維持できるとは限らない。
- 家事・育児に協力的な男性と二人三脚で、共稼ぎで世帯年収一千万超えを目指してもいいのでは?
- 男性の稼ぎだけに依存していると、不本意な夫婦生活でも続けなければいけなくなる可能性がある。
- 「海外旅行とか外食とか洋服にお金を使いたいから」という理由は口外しないほうがいい。
彼女たちもファンサービスの一部として本音の一部を話しているだけだろう。
発言によって傷つく視聴者も中にはいるかもしれないが、本音を聞けてよかったというファンもいるはずだ。
やはり男性よりも女性の方が、現実(未来)を見抜く力を持っているのかもしれない。