「一口家主iAsset」のメリット・デメリット:類似商品との比較

不動産経営

一口家主iAsset
※出典:クレアスライフ

「一口家主iAsset」(以下略「一口家主」)の資料を取り寄せてみた。
以下、一口家主のメリット・デメリット・気になったことについて。

「一口家主iAsset」とは?

商品概要

  • 一口50万円。
  • 平均利回り2%。
  • サブリース。
  • 運用期間5年。
  • 値下がりが20%までであれば保障。
  • 値上がりの50%を還元。

一口家主とはひと言で言えば、一口50万円から購入できる小口不動産投資商品のこと。

商品の目標平均利回りは2~3%。
運用会社のクレアスライフが物件を借り受け、借主に貸し出す「サブリース」方式を取っている。
5年の運用期間終了後、運用会社が共有持分を買い取って精算する。精算時に物件価格が値下がりしていた場合、買い取り額も下落する。このため、元本割れのリスクがある。ただし、20%までの下落に関しては保障される。
逆に精算時の物件価格が値上がりしていた場合、値上がり益の50%を受け取ることができる。

費用について

  • 事務手数料10,000円(税別)
  • 中途解約手数料2%

一口50万円だけの購入の場合、事務手数料で2%(10,000円)の費用を持っていかれてしまう。口数が多いほどお得になる仕組み。
5年の満了期間を待たずに解約した場合にも2%の手数料がかかる。

メリット

一口家主のメリット・長所を挙げてみる。

1)小額から投資可能

多くの現物不動産を購入する場合、数百万円~数千万円が必要となる。しかし、一口家主は50万円から購入可能だ。
小額から始められるため、心理的抵抗は少ないだろう。

2)手間が掛からない

募集・管理・修繕などの運用の手間が不要となるため、忙しくて時間のない人にも向いている。

3)売却手数料が安い

5年の運用期間終了後であれば売却(精算)手数料は不要。
中途解約の際の2%という手数料も良心的な設定だ。不動産会社に売買仲介を依頼した場合、200万円以下の物件では5%(+消費税)の仲介手数料が掛かるからだ。

4)ステータス感

これはあくまでも心理的なものだが、「都心のマンションのオーナーになれる」というステータス感を得られるかもしれない。

デメリット

次に一口家主のデメリット・リスクについて。

1)運営会社がつぶれた際のリスク

万が一、運営会社が倒産してしまった場合、共有持分の売却には困難が伴うだろう。
一口家主の資料には「お客様の持分は権利証によって保全されます」という記載がある。

◆万一事業者が破たんしてもお客様の共有持分は、法務局が発行する登記識別情報(権利証)による保全されます。

※出典:クレアスライフ

しかし多くの投資家は、数十口~数百口に分割された複雑な共有持分を欲しがらないだろう。
ある程度の安値で買い叩かれる可能性は覚悟しておいた方がいい。

2)利回りが低い

現物不動産やリートの方が利回りは高い。
ただし資料を読んだ限りでは、一口家主は比較的リスクが低い商品のようだ。
現物不動産やリートがハイリスク・ハイリターンとすれば、一口家主はミドルリスク・ミドルリターンと言っていいだろう。

3)実績が未知数

商品販売からまだ5年たっていないため、元本が遅延なく精算されたか、20%の値下がり分は保障されたのか、などの情報が出揃っていない点はリスクと言える。
2018年11月には1号物件の満期を迎えるため、その時点での評判を確認してからでも遅くはないだろう。

他の商品との違い

一口家主を他の不動産投資商品と比較してみる。

「みんなで大家さん」

みんなで大家さん
※出典:みんなで大家さん販売株式会社

共生バンクが運営する小口不動産投資商品「みんなで大家さん」。
一口家主と似た仕組みだが、

  • 一口100万円。
  • 目標平均利回り6~7%。
  • 申込手数料無料。
  • 運用期間3年以内。

上記のような違いがある。

メリット

一口家主と比べると利回りが高い。ただしその分リスクも高いと思われるので、必ずしもメリットとは言い切れない。

デメリット

元本の支払い遅延があったり、大阪府からの行政処分を受けたりといった未確認情報がある。

現物不動産

メリット

一口家主と比べると利回りが高い。ただしその分リスクも高く、手間も掛かる。必ずしもメリットとは言い切れない。

デメリット

初期投資額が大きい点と、管理に手間が掛かる点。

ちなみに、以下は実際の現物不動産の家賃と購入価格から概算した表面利回りだ。

購入価格 2080万円
家賃 8.45万円
表面利回り 4.9%

現物不動産:購入価格
現物不動産:家賃
※出典:ヤフー不動産SUUMO。同一物件ではないが、条件の似た物件2件を選択した。

まとめ

投資判断を下す前には、投資対象を徹底的に調べる必要がある。
「一口家主iAsset」について徹底的に調べるための第一歩は、資料をじっくり読み込むことだろう。

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投資による損失・利益は全て自己責任なので、くれぐれも慎重な判断をお願いしたい
「商品名+評判」「会社名+評判」などのキーワードで検索してみてもよいだろう。
検索結果で表示されたサイトの情報が正しいかどうかを見極める必要もあるが、それも投資判断の一環といえる。

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