競売よりも通常売買の方が320万円もお得。私の入札体験談と競売制度の未来。

不動産経営

Auction-House
※出展:Bigger Pockets

競売よりも通常売買が絶対おすすめ

現時点で(2015年現在)、競売物件に魅力は無いと私は考えています。
今回の記事の内容は、

  1. 競売物件と通常物件の比較
  2. 私の競売体験談
  3. 競売制度の今後

についてです。

1.競売と通常売買の比較

競売と通常売買で、似たような物件の価格を比較してみます。

まずは競売。
auction-purchase
※出展:BIT

次に通常売買。
normal-purchase
※出展:Yahoo不動産

競売物件と通常物件を表で比較

両者の詳細情報をテーブルで比較してみます。

競売 通常
売却基準価格
・売り出し価格
872万円 1780万円
土地面積 191平米 174平米
建物面積 103平米 136平米
築年 築11年 築12年
間取り 4LDK 4SLDK
交通 JR駅から徒歩19分 京成本線駅からバス13分
建ぺい・容積率 60%・200% 50%・100%
接道状況 南西4m公道 北西6m公道
構造 木造 木造
権利 所有権 所有権

売却基準価格・売り出し価格だけ見ると、競売物件の方が50%ほど安く見えます。

しかし、競売物件の「売却基準価格」はあくまで出発点の値段です。
Yahooオークションで言うところの「開始価格」です。

競売の落札価格は、平均して売却基準価格の2倍周辺に落ち着くことが多いようです。
auction-results

通常売買でも売り出し価格は出発点ですが、競売と異なる点は、売り出し価格より低い価格で購入できる場合がほとんどだという点です。
不動産投資家の加藤ひろゆき氏の言うところの「鬼のような指値」を入れて、売り出し価格の半値近くで購入できる場合もあります。

売却価格での比較

  • 競売物件の落札価格を、売却基準価格の2倍
  • 通常物件の決済価格を、売り出し価格の2割引き

として計算してみます。
※半値で購入できる可能性はさすがに低いので2割引きと仮定

競売 通常
開始価格 872万円 1780万円
売却価格 1744万円 1424万円

競売よりも320万円安い値段で、似たような物件を購入できる可能性は充分にあります。

早くて安くて縁起もいい

前述の加藤ひろゆき氏も、著書「ボロ物件でも高利回りアパート経営」の中で次のように言っています。

市場に出てくる物件の方が、競売に入札するより早いし、安い。
縁起もいい。
さらに売主様も大喜びだ。


2.私の競売体験談

9回入札して、落札ゼロ

私は2011年ごろに、競売物件に9回入札したことがあります。
しかし、一度も落札できたことはありませんでした。

競売物件の達人・竹内かなと氏によれば、

200回以上の物件で入札を行った。その結果、20軒の物件を落札。落札できたのは1割未満

とのことです。
※出展:楽待不動産投資新聞

甘く見積もって落札率が1割だとすれば、あと数回入札を繰り返していれば私も落札できていたかもしれません。
それでも、通常売買で同じような物件を同じくらいの値段で買えるのであれば、通常売買の方がはるかに安全で確実です。

競売物件のデメリット

競売物件には、

  • 物件内部を見ることができない
  • 引き渡し手続きを全て自分で行わなければならない

という大きなデメリットが存在していす。

また、入札の保証金(売却基準価格の20%)を銀行の窓口で振り込まなければいけないので、

  • 800円(税抜き)の振込手数料が掛かる
  • 平日の昼間に銀行窓口に行かなければいけない

という手間もあります。
当時私はフルタイムで働いていたので、平日の昼休みをつぶして銀行に行っていました。これは正直、面倒です。
振込手数料や現地まで物件を見に行く交通費も、積み重なれば結構な出費になります。
以来、私は競売には全く手を出していません。

競売物件を調べてみて唯一良かった点を挙げるとすれば、3点セットの資料を読むのは勉強になったという点です。
あなたがまだ一度も3点セットの資料を読んでいないのであれば、一度くらいは読んでみても良いでしょう。

BITのサイトから物件を探して、詳細ページに移動すれば3点セットのPDFをダウンロードできます。

3.競売物件が魅力を取り戻すタイミング

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※出展:Free To Live

競売より通常売買の方が望ましいとなると、競売制度は今後どうなってしまうのでしょう?

結論から言えば、借金という制度がこの世から無くならない限り、債務整理の手段として競売は生き残り続けます。

競売物件の魅力が低い現状では、競売への参加者は徐々に減るでしょう。
競売参加者が減れば、競売物件の売却価格は今よりも下がるでしょう。
(需給の法則)
通常売買の買い手が増えれば、通常物件の売却価格は今よりも上がるでしょう。
その傾向が続けば、いずれ競売物件の方が通常物件よりも安くなるでしょう。
皮肉にも、競売制度はその不便さゆえに、また脚光を浴びる時期が来るものと予想されます。

ただし、その時期がいつになるのかは誰にも予想できません。
競売物件の落札結果・売却価格の水準を追跡する。
通常物件の決済状況を不動産屋さんにマメに確認する。
これらの作業を繰り返すことができれば、ライバルよりもほんの少し早く、競売市場の好転に気付くことができるでしょう。

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