2016年6月4日、ノボテルホテル甲子園にて開催された不動産投資セミナー「年収420万円のサラリーマン→資産8億円プレーヤーになるまで」を聴いてきた。
無料セミナーにも関わらず、フルローン・オーバーローンで融資を受けるためのヒントや、空室率35%超の時代でも満室経営を続けるための秘訣など、充実した話を聞くことができた。
以下、覚えている限りで内容を記録しておく。
第一部:投資家・森川氏
相続対策のアパートが大量に供給されており、空室率が35%に達しているというニュースが流れていた。
空室率が高い状況での不動産投資成功のカギは、競争力や個性を持った物件を提供できるかどうかに掛かっている。
全体的に賃貸を借りる人数は減る傾向にあるが、ファミリー世帯が減って、単身世帯は増えている。
自分の物件では単身世帯を対象としている。
間取りとしても、3DK物件より1LDKの方が需要が高い。
1)不動産投資の仕組み
利回り | 6%台 |
---|---|
価格 | 約1.6億円 |
家賃収入 | 約1,000万円/年 |
手残り ※借金返済等差引後 |
約225万円/年 |
※新築アパートの大体の目安。
2)出口戦略
新築で建てて15年で売った場合と、30年持ち続ける場合では、利益はほぼ同額。約4,000万円。
戦略によって売却か保有か選択する。
3)メンテナンス
メンテナンスも大事。
物件の価値を落とさないようにすることで、売却時の利益が大きくなる。
4)家賃査定
不動産屋の出した家賃相場より1万円高い家賃でも満室にできた。
その理由は、
- 女子学生にターゲットを絞った。
- 女性専用アパートにした。
- セコムと契約しセキュリティ性を前面に押し出した。
質疑応答
Q.融資はどこの銀行を使っているのか?
A.りそなと地銀・信金
新築はりそな。金利0.8%で借りている。成果を伝えて借換のたびに下げてもらっている。オーバーローンで借りた。
中古は地銀・信金。1.5%。
補足説明
最近は不動産業者も、中古アパートの転売で儲けにくくなっている。
このため、新築アパートを作って、中古になった段階で売ることで儲けている業者も多い。
個人投資家も不動産業者と同じような手法を取ると儲けやすい。
新築は最初の企画が最も重要。
第二部:旭化成・オムラ氏
資産価値の高い賃貸住宅とは何か?
アパートのオーナーでも、壁の厚みが何センチなのか分かっている人は意外と少ない。
アパートの80%以上はサイディング材で壁が作られている。サイディング材はせいぜい1.6~3.0cmの厚さしかない。
対してヘーベルハウスでは、軽量コンクリート(10cmくらい?)を壁に使っている。
(両方の材料の実物を提示して比較)
どちらが建物としての資産価値が高いかは明白。
(もちろんヘーベルハウス)
ヘーベルハウスでは、30年メンテナンスフリーを保証している。
※屋上防水・外壁塗装は除く。
ヘーベルハウス実物を使った地震シミュレーションでも、
- 阪神淡路大震災
- 新潟中越地震
- 東日本大震災
- 首都直下地震
- 上町断層地震
- 南海トラフ地震
上記全ての地震に相当する揺れを実証したが、建物の損傷はゼロだった。
第三部:テラフォーミング・担当者氏
当社は募集と管理を一手に引き受けている不動産会社。
「家賃相場」というものは、オーナーが決める場合と、不動産会社が決める場合では、5,000円~10,000円の差がある。
不動産会社は「決めやすい物件」を作りたがる。このため、「インターネット上での相場」より安い値段を設定する傾向がある。
最近では、ペットショップと提携したアパートを作っている。
第四部:パネルディスカッション(全体質疑)
Q.事業継承についてはどう考えている?
回答者:投資家・森川氏
もし自分が子供への相続を考えるなら、資産管理会社を使う。
個人保有物件を資産管理会社に移し、子供がその会社の株式を買う。すると、資産評価が1/3になる。
Q.ヘーベルハウスの外壁はシーリング(外壁材の継ぎ目)も30年保証?
回答者:旭化成・オムラ氏
30年もつ。
ヘーベルハウスの外壁材は4回塗装している。
1回目は工場で。現場でシーリングして、それから3回塗装する。
Q.空室率が高まっていく状況で、どんなアパートが勝ち残ると思うか?
回答者:テラフォーミング・担当者氏「付加価値が必要」
知り合いの会社では、スマホアプリを開発している。
空き家活用データベースをスマホで見られるようにしたもの。
多くの引き合いが来て、2000件ほどの空き家がすぐに登録されたと聞いている。
その会社では月5万円ほどの利用料を徴収している。
要は、アパート単体で儲けなくても、サービスで儲けることもできるということ。
当社の例で言うと、ペットショップとの提携物件を作ったりもしている。
回答者:テラフォーミング・代表氏「オーナーのビジョンが大事」
森川さんの話にもあったように、人口は減っても単身世帯数は増えている。
ニーズではなくウォンツに注目することが大事。
オーナーが作りたい物件をつくるべき。
森川さんと私たちもたくさんケンカした。
私たちは、女性専用はやりたくなかったし、私たちが考えていた家賃と森川さんの設定した家賃には1万円もの差があった。
それでも、完成後すぐに満室になったし、退去があっても埋まるまで1か月も掛からない。
回答者:森川氏「オンリーワンの物件」
「同じものが二つとない」ことが重要。
平均的なものは要らない。
女子学生アパートにホームセキュリティを入れる時も、セコム以外の業者では知名度が低くて押しが弱いと思ったので、全国的に有名なセコムを入れた。
回答者:旭化成・オムラ氏「立地とチームづくり」
立地が一番。
例えば明石市と西宮市だったら、西宮市。という風に。
多角的な視点でプランを何度も練り上げることが重要。
例えばゴミ収集一つとっても、市のゴミ収集日に頼るだけではなく、週6回収集に来てくれる業者を入れる。
ユニットバスにしても、最初の設計で予定したものよりグレードの高い物に変える。など。
メリットをどんどん盛り込んでいく。
そのためにはチームが大事。
Q.銀行との交渉のコツは?
回答者:森川氏
銀行はこちらの見通しに対して、収益に関しては二割引き、経費は二割増しで計算するような性質がある。
銀行側の質問に対し、自信を持って論理的な証拠を出し、説得する必要がある。
Q.良い土地が見付からない。
回答者:旭化成・オムラ氏
市場に出回らない情報を掴む必要がある。
例えば私のようなハウスメーカーの担当者には、不動産屋さんから売り土地情報がもれなく入ってくる。
良い物件情報は人脈で流れている。
不動産屋さんは両手手数料が欲しいので、良い土地は市場に流さない。
回答者:森川氏
古屋付の土地を買って、更地にしてからアパートを建てるのもアリ。
まとめ:ヘーベルハウスは儲かっているようだ
参加者の各座席には冷たい水と暖かいコーヒーが提供され、セミナー終了後には景品抽選会、参加者全員にQUOカードとサランラップ&ジップロックのプレゼントと、至れり尽くせりの会だった。
収支トントンにするためには、一人当たり5,000円くらいの参加費が必要な雰囲気だった。(参加者は30~40名ほど)
ヘーベルハウスの営業会に近い印象も感じたが、掛かっている費用を考えればそれも当然だろう。
セミナー後は、駅前のイオンで弁当を買って昼食を取った。
この日は阪神の試合があるようで、タイガースファンが大量にイオンに押し寄せていた。