【第2章:購入】

1) 価格交渉

※出展:DARE DREAM MAGAZINE

「この物件だったら借り手を見つけられるかもしれない」
「数十万円から百万円程度のリフォーム費で借り手を募集できそうだ」
といった物件を見つけたら、次のステップは価格交渉です。

1万円でも安く購入するつもりで

売り出し価格で購入できるだけの資金的余裕があったとしても、1万円でもいいから安くできないか、不動産屋さんに打診してみる価値はあります。

中古戸建はリフォームが必須です。
リフォーム費の負担を少しでも軽くできるよう、値下げ交渉したいところです。

また、登記費用や手数料や税金等で購入価格の約10%の追加費用が必要になります。
決済の段階になって、「お金が足りない!」ということにならないよう、余裕を持った購入価格に持っていく必要があります。

価格交渉においては、売主さんと直接交渉する必要はなく、間に不動産屋さんが入ってくれます。
売主さんに面と向かって
「値下げしてくださいよ」
と言うよりは、誰かが間に入ってくれた方が気は楽です。

価格交渉の要点として、次の三つを挙げたいと思います。

一つ目は、「現金一括払い」にすること。
二つ目は、「価格の根拠」を示すこと。
三つ目に、「買えなくてもいいよ」というスタンスで臨むこと、です。

A) 現金一括払い

「現金一括払い」は値下げ交渉のスタートラインです。
売主さんの立場で考えると、
「早く現金化したい」
というのが、住宅を売りに出している理由です。

買主が銀行から借金をできるかどうかなど、売主さんにとってはどうでもいい話です。
売主さんや不動産業者さんからしたら、
「現金一括払いできないような輩が値下げ要求をするなど、もってのほか」
と思うはずです。

裏を返せば、同じ額で買おうとしている人が二人いたとして、銀行からの借金を前提として買う人よりも、現金一括で買う人の方が有利です。
また、「現金」には一種のパワーと言うか魔力のようなものがあるのも確かです。
何かしらの支払のために早くお金が必要な売主さんであれば、「現金一括」という条件を出すことで、値下げを了解してもらえる可能性は高まります。

B) 価格の根拠

「価格の根拠」とは、リフォームに掛かる総費用、土地の相場価格、家賃相場、希望する利回りなどを参考資料としてまとめ、希望の購入価格を伝える方法です。
次のようなFAXかメールを、案内してくれた不動産屋さんに送ります。

1ページ目。送付状および買付額提示。
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正確なリフォーム費

正確な費用を出す場合は、帰宅してからタウンページ等で物件近辺の工務店さんを探し、見積もりを依頼します。
ただし、見積もりが出るまでに1~2週間は掛かってしまいます。
その間に物件が売れてしまう可能性もあります。

概算リフォーム費

スピード重視でリフォーム費概算を出す場合は、各種工事に掛かる大まかな費用を前もって自分用にまとめておき、その内容に基づいて自分で試算する、という方法を取ります。
当サイトの以下のページから、簡単にチェックシートもダウンロード可能です。
情報が少し古いので、ご自分でアップデート・カスタマイズしてください。
土地価格

土地の相場価格に関しては、国土交通省の「地価公示・都道府県地価調査」のウェブサイトで、物件の近辺の地価を参照することができます。

サイトにアクセスしたら、最初に都道府県を選択します。
※2014年8月現在の画面に基づいています。

ここで調べた単価に、物件の敷地面積を掛けて、地価の推定値を出します。
上記の例では、1平米の単価が25,200円でしたので、敷地面積が100平米の物件でしたら、

25,200円 × 100平米 = 252万円

となります。

住所を入力して検索もできます。
「データは見つかりませんでした」と表示されてしまうようでしたら、近隣の別の町などで再度検索します。

建物の残存価値に関しては、木造で築20年を超えていれば、ほぼゼロと考えて構いません。

予想家賃

家賃相場は、「アットホーム」や「Yahoo不動産」などで、似たような物件の家賃を見て調べます。
なお、当サイトでもrentarrow/”>

「家賃相場検索ツール:れんたろう」

利回りについては、前述の「B) 価格の根拠」で触れたFAXや、
C) 「買えなくてもいいよ」という態度で

最初の物件を買うときは、あまり資金的な余裕がないのが普通だと思います。
高値で問題の多い物件をつかんで、資金的・精神的に大きなダメージを受けることは避けたいところです。

何十件(場合によっては100件以上)も見てきて、やっと巡り合った良い物件。
どうしても買いたい気持ちが前面に出てきてしまうかもしれません。
そこをなんとか、ぐっとこらえてください。
その物件にこだわらずに、冷静な価格交渉が大事です。

逆に、売主さんが「早く売りたい」という物件であれば、こちらが有利に交渉を運べます。

  • 離婚
  • 遺産処分
  • 借金返済
  • 事業不振による不動産売却

これらが売却理由の場合は、大きく値下げできる可能性があります。

人の弱みにつけこむようであまり気分は良くないかもしれませんが、あくまでビジネスに徹しましょう。


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