引越し理由から考える空室対策

空室対策には、

  1. 空室を最低限に抑えるための事前対策
  2. 空室を埋めるための事後対策

という二種類のアプローチが考えられます。

この記事では、「1.空室を最低限に抑えるための事前対策」について考えます。

1)更新料の引き下げ

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※出展:マイ法務

入居者の立場で考えると、2年に一度の更新料は無駄なお金に思えてしまいます。

更新料を払う時は引越しを考えてしまう。(40歳男性)

※出展:SUUMO
上記のように、更新のタイミングで引っ越しを検討する人も多いです。

更新料に関しては裁判で争われることも多く、貸主にとって頭の痛い「法定更新(※)」という制度もあります。
※「法定更新」とは、借主と貸主が契約更新に合意しなかった場合でも、賃貸借契約が自動的に更新されるという仕組み。

平成23年7月の最高裁の判決で更新料の正当性が認められて以来、更新料に関する議論は沈静化したように見えます。

更新料の正当性が認められたとはいえ、引越し理由として更新料を挙げる人の割合が減るわけではありません。
もしあなたの所有物件で更新時期に空室が発生することが多いのであれば、更新料を1か月分・半月分・ゼロにすることで、空室の発生を抑えることができるかもしれません。

2)入居者の不満を解消する

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賃貸ポータルのSUUMOの調査によると、引越し理由の上位には「物件への不満」が挙げられています。

【調査概要】
●調査実施時期:2014年12月12日~2014年12月15日
●調査対象者:1都3県在住で1年以内に引越しをした20~49歳の男性200名・女性200名
●調査方法:インターネット
●有効回答数:400

【調査結果】
Q.なぜなぜ教えて?引越しをした理由

  • 1位:前住んでいた物件に不満があったから 22.0%
  • 2位:前よりよい条件の物件を見つけたから 20.0%
  • 3位:結婚したから 18.8%
  • 4位:転勤になったから 17.3%
  • 5位:賃貸の更新時期がきたから 16.8%

※出展:SUUMO

ハガキやポスティングで入居者アンケートを実施すれば、入居者が不満に思っていることを聞きだすことができます。
大きなお金が掛かるような対策は好ましくありませんが、それほどお金を掛けずに解消できることもあるかもしれません。
例えば、以下に挙げるような方法です。

  • 共用部をキレイに掃除する。
  • 自転車置き場を整理する。
  • 管理会社に入居者のクレームを伝え、対応を改善してもらう。


3)新築住宅に負けないようにする

ponta

前述のSUUMOの調査よりも大々的に実施されたPONTAの調査では、引越し理由の1位に「家の購入」が挙げられています。

最近、引越した理由は?
最も多い理由が家の購入で31.8%を占めています。次いで自分や家族の転勤の18.6%、結婚の7.2%となっています。

【調査概要】

  • 調査の目的:引越経験、最近1年間の引越状況を確認し、引越ニーズを調査しました。引越業者に関する設問から、選択基準、利用時の状況を調査しました。
  • 調査方法:インターネットリサーチ
  • 調査地域:全国
  • 調査対象:20才以上の男女(Pontaリサーチ会員)
  • 有効回答数:2,300人
    ※性別(男性、女性)×年代別(20代、30代、40代、50代、60代以上)の各セルで230人以上を回収
  • 調査日時:2013年2月5日(火)~2013年2月11日(月)

※出展:PONTA

2位「転勤」や、3位「結婚」へは対策のしようもありませんが、1位「家の購入」には対応できる余地が残っています。

例えば、

  • 新築住宅のチラシやHPを研究して、同じような設備を導入する。
  • キッチンやトイレ、バスなどをリフォーム。新築と遜色ない水回りにする。
  • 壁紙やペンキ、照明を工夫して、新築に負けないオシャレな部屋にする。
  • 家賃を値下げして、新築購入よりもお得感を出す。

このような方法が考えられます。

まとめ:所有物件の強みは何?

「3)新築住宅に負けないようにする」は金銭的な負担も大きいため、
1)更新料の引き下げ
や、
2)入居者の不満を解消する
を優先的に実施した方が投資効率は高いと言えます。

競争においては、競争相手との差別化が最も重要であることに疑いの余地はありません。不動産投資を始めたころ、知人が私にアドバイスしてくれたことがありました。

彼は私に、
「君の所有物件の強みは何だ?」
と尋ねました。

私は、
『家賃が安いことですかね。それと、借金をしていないので、空室が出ても焦らないで済むことですね。』
と返答しました。

彼は、
「安さだけでは足りないね。」
と私にアドバイスをくれました。

その時は「安さ」が最強の価値だと思っていましたが、最近は少し考えが変わってきました。
不動産投資に限らず事業においては、安さ以外の要素が必要です。

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