新築アパートとの永遠の競争:「取材からわかった満室稼動家主の取り組み」 in 全国賃貸オーナーズフェスタ2016

セミナー

全国賃貸オーナーズフェスタ2016入口

2016年11月13日、プリンスホテル新高輪で開催された「全国賃貸オーナーズフェスタ」(主催:株式会社エイブル)に行ってきた。

会場の様子

全国賃貸オーナーズフェスタ2016弦楽四重奏

老舗ホテルの大ホールを貸し切ってのイベントだった。
入り口から会場へ向かうスロープには、弦楽四重奏の生演奏が流れていた。
バブルっぽい雰囲気を醸し出していた。

「取材からわかった満室稼動家主の取り組み」

「取材からわかった満室稼動家主の取り組み」会場の様子

会場では合計30近くの大小セミナーが開催されていた。
何個もセミナーを見る気力はなかったので、「家主と地主」という不動産大家向け雑誌の編集長によるセミナー「取材からわかった満室稼動家主の取り組み」だけを聴いてきた。
幅広い年代の男女が熱心に耳を傾けていた。60~70代(おそらく)の大家さんも数多く見かけた。
年を取っても勉強し続けようとする姿勢は見習わなければいけない。

1.賃貸住宅市場の実態

姉歯問題(耐震偽装)やリーマンショックなどで新築住宅着工数が落ち込む時期もあったが、その数年後にはまた着工数は伸びている。
着工数の伸びの要因として消費税増税や相続税制改正が挙げられる。
つまり新築動向に関しては、景気よりも税制の影響が大きい。

野村総研のレポートによれば、サラリーマンの月給は10年間で2万円弱減少した。
このため、サラリーマンが家賃に支払える金額も低下している。

2.満室家主の共通点

  • 情報収集力
  • サービス業という意識
  • 商品価値の維持
  • 数字の管理
  • ビジネスパートナー

「情報収集力」とは、今業界でどんな問題が起きているのかを把握すること。
「サービス」とは例えば、契約を延長してくれた借主に対して設備のアップグレードを無償で提供するなど。
一番の「ビジネスパートナー」は当然「不動産会社」。

3.リノベーションで空室対策

「ナチュラル」をポイントとしたインテリアや家具で、内見者の心をつかむ。
ホワイトボードマグネットの壁紙で、小さい子どもがいるファミリーに訴求する。

定量データ(※)に基づいた部屋づくりをすると、最大公約数的な当たり障りのない部屋になってしまう。そうなると駅からの距離・家賃・部屋数などの基本スペックで勝負しなければいけなくなってしまう。
※ほしい設備アンケートなどの回答数のこと。

定量データよりも、「こういった暮らしがしたい」などの「定性データ」に着目してみる。
例えば、和室が好きな若者は一定数存在していて、「おしゃれな昭和レトロ」を演出することで空室を埋めた大家もいる。
その大家は、押入れの壁を和風の色で塗ったり、押入れのふすまを取り払って押入れの壁を室内の延長のように見せたり、和風照明やちゃぶ台を部屋に備え付けたりしていた。

まとめ:常に新築アパートとの競争を念頭に

今後、日本では税負担は増えていく一方と思われる。
税制改正は今後も引き続き行なわれるだろう。税制改正が行なわれれば、節税のために新築アパートを建てる人も増える。当面の間、新築アパートは増加を続けるだろう。
既存大家には、新築アパートとの競争に勝ち抜いていく意志と能力が必要になる。
自分も物件訴求力を高められるよう努力を続けなければ。

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