【第4章:入居者募集】

仲介会社

仲介業者
※出展:wiseGEEK

リフォーム完了の目途がついたら、次は入居者さんの募集です。
家賃をいただくためには当然のことながら、入居してくださる方を見つけなくてはいけません。

入居者さんを見つけるためのパートナーが、「仲介会社」さんです。

入居者募集には決まった正解というものはありません。
まずは、最低限やらなければいけないことを押さえておきましょう。

購入時の業者さんに仲介を頼まない方がいい理由

購入時に仲介してくれた業者さんに入居者募集を頼むことももちろん可能ですが、あまりお勧めしません。
それには3つの理由があります。

A) 売買と入居者募集では専門分野が違う

一つは、同じ不動産業務でも売買と入居者募集では専門分野が異なるためです。
家を買おうとしている人と、家を借りようとしている人は、別の客層になることもしばしばです。
購入時の仲介会社さんは、家を買おうとしている人を探すのは得意かもしれませんが、借りる人を探すのは専門ではありません。

B) 地元の業者さんとは限らない

二つ目は、購入時の仲介会社さんは地元の業者さんではないケースが多いためです。
都道府県・市町村単位では地元と言える場合もありますが、購入した物件から車で数分レベルの「ド近所」という可能性は低いです。

不動産の売買では、購入者が地元の人とは限りません。
物件から遠く離れた業者さんが、売買の仲介に入ることも充分にありえます。

私たちが探さなければいけない入居者さんは、少なくともその物件の近所に住んでいる方です。
近所の人が訪問しやすく、入居者募集に積極的な仲介会社さんを選ぶべきです。

裏を返すと、物件の近所の仲介会社さんであっても、

  • 入居者募集を積極的におこなっていない(ように見える)仲介会社さん
  • 暗くて古くて入りづらい仲介会社さん

このような仲介会社さんは選択肢から除外すべきです。

C) 脱「お任せ」体質

購入時の業者さんに入居者募集を依頼しない三つ目の理由は、
「お任せ体質」にならないためです。

「あれもこれもやってあげますよ」
という相手の好意に甘えていると、実は高いお金を払わされていた、というケースが良くあります。
観光地で、親切を装って詐欺師が近づいて来るのと同じ理屈です。

実際は、観光地のぼったくり屋のような仲介会社さんはほとんどいませんが、自分で業者さんを見極める訓練の一環として、購入時とは別の業者さんを探すことをお勧めします。

仲介会社の探し方

地元の仲介会社さんを探す方法としては、最寄り駅周辺や物件周辺を歩くか、「Yahoo不動産:賃貸」等のポータルサイトで、自分の物件と似たような物件を検索すると良いです。
物件検索結果の下の方に、仲介会社さんの連絡先等がしっかりと書いてあります。

他にも、「最寄り駅名」と「仲介会社」というキーワードで、タウンページやGoogleで検索すればいくつか候補は見つかります。

ネットで会社の情報を見て終わりではなく、実際に店を見に行って判断しましょう。
店構えを見て、
「お客さんが入りやすいか?」
「この会社は(入居者募集の)やる気があるのか?」

という点についてメモを残しておきましょう。
主観的判断、直感で構いません。

「この辺で家を探しているんですけど・・・。」
と、引っ越し予定者を装って偵察に入るのもアリですが、私はそこまでしたことはありません。

物件調査時に、地元の仲介会社さんの調査も並行して行うと効率的です。
ただし、
「この物件は買ってもいい」
と思えた場合に限ります。
でないと、無駄足が増えてしまいますので。

物件調査時に仲介会社さんに立ち寄った際は、調査中の物件のチラシを見てもらって感想を訊いてみましょう。

「この物件を買う可能性があるのですが、家賃相場を教えていただけないですか?」
という風に質問してみます。

物件購入後、仲介会社さんの目星を付けたら、
「貸家の募集の仲介をお願いしたいのですが。」
と伝えましょう。

訪問時に持参するものとしては、

  1. 購入時の物件チラシ
  2. 名刺

の二点で十分です。

物件チラシには、間取り、設備、住所、道路地図などが書いてあるので、それ一枚で大抵の情報は伝えられます。
名刺が無い場合は、仲介会社さんが用意してくれた用紙に氏名等を記入します。

名刺を用意して行った方が、仲介会社さんの記憶には残りやすいと思います。

仲介会社との打ち合わせ内容

打合せの際には、レインズ(仲介会社さん向けデータベース)で所有物件と似たような物件の家賃相場を教えてもらいましょう。

続いて、以下のような事項を決めていきます。

  • 家賃
  • 敷金/礼金
    (地方によって習慣が異なるため、適宜合わせる)
  • ペット可/不可
    (可の際は敷金を1か月増やしたり、「ペット礼金」を1か月付ける)
  • 水回り清掃費
    (バス、キッチン、洗面台、トイレの一般的な間取りで2万くらい)
  • 退去時のクリーニング費
    (1部屋1万円くらい。キッチンも1部屋として数える。)
  • 広告費
    (仲介会社さんにやる気を出して募集してもらうためには1~2か月分)
  • 保険
    (借主の分。貸主の分は自分で探して選んでもいい。)
  • 募集している間の鍵の管理方法
    (仲介会社さんに預けっぱなし、またはキーボックスに入れて現地保管)
  • 担当者さんに物件を見に来てもらう日時

保険に関しては、私は「共済」を愛用しています。
入居者さんの保険は仲介会社さんが決めることが多いですが、「この保険を使ってもらいたい。」と言えば話は聞いてくれるかもしれません。

当サイトでも、保険会社の比較をしています。


火災保険(建物)を比較してみた

打合せ自体は、一時間弱もあれば終わります。

仲介会社との契約の種類

募集をお願いする仲介会社さんと結ぶ仲介契約には

  1. 「一般媒介契約」
  2. 「専任媒介契約」
  3. 「専属専任媒介契約」

の3種類があります。

「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」では、他の不動産業者さんへ物件管理の依頼ができません。
入居者募集の依頼にも制限が掛かります。
契約した仲介会社さんが2~3か月で早々に入居者さんを決めてくれれば問題ありませんが、なかなか空室が埋まらない場合、他の不動産業者さんにもオーナー自ら営業に行く必要があります。

また、「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」では、「他の仲介会社さんに物件の管理をお願いする」ということが契約上できません。

仲介会社さんに管理会社になってもらわず、「自主管理」で行くのであれば、最も制約の少ない「一般媒介契約」が望ましいです。

「専任媒介契約」で、他の仲介会社にも営業をかける方法

管理業務を仲介会社さんに行ってもらいたいのであれば、「専任媒介契約」を求められます。

「専任媒介契約」の場合も次のようにすれば、他の仲介会社さんへの営業も可能です。

  1. 管理会社となる仲介会社さんには「元付け」(入居契約などのとりまとめを行う)になってもらいます。
  2. それ以外の仲介会社さんには「客付け」(入居者さんを探すことに専念)になってもらいます。

こうすれば、管理会社さん以外の仲介会社さんへも営業が掛けられます。

広告費や仲介手数料の取り扱いについては、一度「元付け」の仲介会社さんと打ち合わせの上、営業に行くようにしましょう。
ここでお互いに誤解があると、のちのちの付き合いに支障が出てしまいます。

通常は、入居者さんを見つけてくれた仲介会社さんに広告費を支払うことになりますが、地域や仲介会社さんによって慣習が異なります。

「営業している時間なんて無い、もしくは、したくない」
「時間かかってもいいから、この仲介会社さんに任せたい」
という場合は、「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」で、一社にお任せにしても良いでしょう。

「定期借家契約」にするかどうかの判断

入居者さんの「占有」(家賃を支払わず、かといって出ていくのでもなく、居座ること)対策としての「定期借家契約」ですが、場合によって使い分けで良いと思います。

「定期借家契約」とは簡単に言うと、
「○年(または〇か月)で退去することを前提とした賃貸契約」
のことです。
ただし「再契約」という形で、入居者さんは住む期間を延長することができます。
再契約の際の手数料は、家賃半月分未満です。
この手数料は入居者さんが管理会社に支払います。

余談ですが、「定期借家契約」なのに、「更新料1か月」と言っているような物件や業者さんには、何かしらウラがあると考えられます。

一般論で言うと、「普通借家」の方が入居者さんは決まりやすいと言われています。
また、仲介会社さんも「定期借家」をしたことがない業者さんは面倒くさがる可能性があります。

内覧者さんが入居を断る理由として「定期借家」を挙げるようでしたら、「普通借家」に切り替えるのも一つの手です。
基本的には、入居者さんはあまり気にしないことが多いので、あなたのお好きな方で決めてよいと思います。


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