【第4章】3) 審査

※出展:Law Office Clark Daniel

家賃保証会社が間に入る場合

入居者さんがご高齢だったり、何らかの事情で保証人を頼む事ができない場合、「家賃保証会社」に間に入ってもらう場合があります。

「保証人」とは、入居者さんが家賃滞納など、何らかの経済的損失を家主に与えた場合、入居者さんと同等の支払い義務を負う人の事です。
普通は、入居者さんの親御さんが保証人になる事が多いです。

「家賃保証会社」とは、年数万円の保証料を支払う事で保証人の代わりになってくれる会社です。
ただし、保証料を払えば誰でも保証してくれるわけではなく、この家賃保証会社も入居者さんを審査しています。

審査の内容としては、収入状況や資産、家族構成、過去の信用履歴などをチェックしています。
家賃保証会社の審査OKの返事が出た場合は、入居者さんの滞納に関してはあまり心配しなくてもよいです。

保証人がいる場合

問題は、家賃保証会社に間に入ってもらわない場合(=保証人がいる場合)です。

「保証人がいるから安心」ではなく、保証人の支払い能力に問題がないか、入居者本人の支払い能力や資産や性格に問題がないか、入念にチェックする必要があります。

審査と言っても特に難しい事はなく、自分が部屋を借りようとしていた時を思い出して、自分がされていたのと同じようなチェックをすればいいだけです。

主に、以下三点をチェックします。
A) 入居者さんの職業・収入
B) 保証人の職業・収入
C) 引っ越し理由

A) 入居者さんの職業・収入

「家賃は税引き後月収の3分の1が目安」とよく言われます。

年収で考えると、ボーナスも計算に入れて、4分の1が目安ではないでしょうか。
収入が少ないと思われる場合は、同居家族の収入や、資産状況(預金残高)なども確認する必要があります。

収入は多いに越した事はありませんが、仕事内容も大切です。
建築・土木作業、保険のセールス、水商売など、ケガや病気や業績次第で収入が途切れる可能性が高い職業の場合は、家賃と収入の比率をもっと厳しく見た方が良いでしょう。

収入の証明としては、源泉徴収票、給与明細、確定申告書の写しを送ってもらいます。
資産状況の証明としては、銀行の預金残高、証券会社の残高証明書等をもらいましょう。
年金など、近い将来に発生する予定の収入がある場合は、その受け取り予定額が記載された書類を提出してもらいます。

B) 保証人の職業・収入

家賃滞納等の問題が起きた場合を見越して、保証人の収入状況も確認しておく必要があります。

入居者本人と同等かそれ以上の収入、より安定した職業であれば全く問題ありません。
しかし、高齢の親御さんが保証人の場合は、そのようなケースは珍しいでしょう。

入居者本人より収入が少なく、かつ保証人も賃貸住宅に住んでいると仮定した場合、滞納が生じた場合の支払い能力には疑問が生じてきます。

保証人の収入が少ない場合は、

  • 保証人の資産状況(預金残高)
  • 持ち家か賃貸住宅か(賃貸の場合は家賃も)
  • 近い将来の年金受け取り予定額

これらのチェックも合わせて行う必要があります。

C) 引っ越し理由

本人に引っ越し理由を聞くのは当然ですが、本人の口から自分に不利になるような内容は聞けるはずもありません。

万全を期すなら、現在の賃貸住宅の管理会社の連絡先を教えてもらい、その管理会社に入居予定者の性格や入金状況について確認すべきです。

本人の言う引っ越し理由も、自分が納得できるまでちゃんと突っ込んでおきましょう。

例えば、「手狭になったから」という事で今の住居より広いところに引っ越すのは筋が通っていますが、前の住居の方が今借りようとしている家より広かったら、つじつまが合いません。


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