不動産投資と区画整理の関係

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不動産投資のために購入した土地が「区画整理事業地」に指定されていた場合、その土地での不動産経営はできなくなってしまいます。
この記事では、土地区画整理法について説明します。

土地区画整理事業とは

「土地区画整理事業」とは、公共施設の整備改善と宅地の利用増進のために行われる事業です。
具体的には、いびつな形の土地を四角形などに整形したり、道路や公園などの整備を行ったりする事業のことを言います。
土地区画整理法という法律が根拠になっており、都市計画区域内の土地が対象になります。

土地区画整理事業は、買収・収容方式ではなく、換地方式という土地の交換に基づいて行われます。地上げ屋のような方法は用いません。
※出展:合格しようぜ! 宅建士 2016 音声付きテキスト&問題集 上巻[宅建業法・法令上の制限]。以下、出展元の記載がない場合は同著からの引用。

土地区画整理事業の段取り

土地区画整理事業は、

  1. 減歩(げんぷ)
  2. 換地
  3. 保留地

という3種類の方法を組み合わせて実施されます。

1. 減歩(げんぷ)

土地の所有者から少しずつ土地を提供してもらい、道路や公園などの公共用地に充てます。

2. 換地

いびつな形の土地を、四角形などの使いやすい土地に整形。整形前の土地と整形後の土地を交換します。

3. 保留地

土地の一部を使用せずに保留。売却して事業資金の一部に充てます。

土地区画整理事業の施行者

民間施行

民間の施行主体には、

  1. 個人施行者
  2. 土地区画整理組合
  3. 区画整理会社

の3種類があります。
都市計画区域、市街化調整区域の両方で施行可能です。

個人施行以外の「土地区画整理組合」「区画整理会社」の場合、施行を行う前に2週間の公衆の縦覧が必要です。
施行には都道府県知事の許可が必要です。

1. 個人施行者
  • 1人で行う場合の他、宅地の所有者・借地権者が数人共同で行うこともできる。それぞれ「一人施行」、「共同施行」と言う。
  • 自分たち以外に区域内の宅地に権利を有する人がいれば、事業計画についてその人の同意を得なければならない。
  • 一人施行の場合は「基準」、共同施行の場合は「規約」および事業計画を定め、都道府県知事の認可を受けなければならない。


2. 土地区画整理組合
  1. 土地区画整理組合を設立しようとする者は、宅地の所有者・借地権者の7人以上共同して、定款及び事業計画を定め、その設立について都道府県知事の認可を受けなければならない。
  2. 組合の認可を申請しようとする者は、定款・事業計画について、土地区画整理事業の施行地区となるべき宅地の所有者・借地権者の2/3以上の同意を得なければならない。


3. 区画整理会社

地権者と民間事業者が共同で設立する、土地区画整理事業の施行を主たる目的とした株式会社であり、都道府県知事の認可を必要とする。

※出展:Wikipedia

公的施行

公共の施行主体には、

  1. 地方公共団体
  2. 国土交通大臣
  3. 都市再生機構
  4. 地方住宅供給公社

の4種類があります。
市街地開発事業の施行区域内のみ、施行可能です。市街化調整区域では施行できません。

土地区画整理審議会の意見を聞く必要があります。
2週間の公衆の縦覧を必要とします。
施行には都道府県知事の許可が必要です。ただし、国土交通大臣や都道府県が主体の場合は許可不要です。

建築行為等の制限

施行地区内では、事業の妨げにならないよう、建築行為などが制限されます。

知事や市町の許可が必要な行為

  1. 土地の形質の変更
  2. 建築物・工作物の新築・改築・増築
  3. 重量5トンを超える(移動の容易でない)物件の設置、堆積


換地処分について

換地計画

  1. 施行者は、施行地区内の宅地について換地処分を行うため、換地計画を定めなければならない。
  2. 民間施行、市町村・機構・公社が施行者のときは、換地計画について都道府県知事の許可を受けなければならない。


換地計画で定める内容
  • 換地設計(換地図)
  • 清算金明細
  • 保留地


換地計画で定める内容

換地と従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければならない。

換地照応の原則の例外
  1. 公共施設等の用に供している宅地に対しては、換地計画において、位置や地積等に特別の考慮を払い換地を定めることができる。
  2. 従前の宅地が小規模であるなどの理由で、「宅地の所有者の申し出」か「換地を定めないこととする旨の同意」があった場合には、換地計画において、その宅地の全部または一部について換地を定めないことができる。


仮換地の指定

  1. 施行者は、換地処分を行う前に仮換地を指定することができる。
  2. 仮換地が指定された場合、従前の宅地について使用収益出来る者は、仮換地について従前の宅地と同様の使用収益をすることができるものとし、従前の宅地については使用収益することができない。


仮換地の使用開始日を別に定める

仮換地に使用収益の障害となる物件が存するなどの事情がある場合、「仮換地の使用収益を開始することができる日」と「仮換地指定の効力発生の日」を別に定めることができる。

使用収益の停止

施行者は、換地を定めないこととされている宅地について、工事のため必要があるなどの場合、期日を定めて、その宅地の使用収益を停止させることができる。

仮換地に指定されない土地の管理

仮換地の指定により使用収益する者がいなくなった従前の宅地と、使用収益の停止により使用収益する者がいなくなった宅地については、換地処分の公告がある日までは施行者が管理する。

仮清算

施行者は、仮換地を指定した場合は、使用収益を停止させた場合においては、必要があるときは仮清算金の徴収・交付をすることができる。

仮換地の指定手続き
  1. 個人施行者・・従前の宅地の所有者と仮換地となるべき宅地の所有者の同意が必要。
  2. 土地区画整理組合・・総会の同意が必要。
  3. 区画整理会社・・地権者の2/3以上の同意が必要。
  4. 公的施行・・土地区画整理審議会の意見を聴く。


換地処分

  1. 換地処分は、関係権利者に換地計画において定められた関係事項を通知してするものとする。
  2. 換地処分は、換地計画に係る区域の全部について、土地区画整理事業の工事が終了した後において、遅滞なくしなければならない。


換地処分の届出・公告
  1. 国土交通大臣と都道府県を除く全ての施行者は、換地処分をした時は遅滞なく都道府県知事に届け出なければならない。
  2. 届出を受けた都道府県知事は、換地処分の公告をする。
  3. 国土交通大臣が施行者の場合は、国土交通大臣自身が公告をする。


権利関係の確定

換地を定めなかった従前の宅地について存する権利は、公告があった日が終了した時点で消滅します。
公告があった日の翌日には、以下が行われます。

  1. 換地計画に定められた換地が従前の宅地とみなされる(仮換地が換地となる)
  2. 清算金が確定する(徴収・交付)
  3. 施行者が保留地を取得する
  4. 新設された公共施設は、原則として市町村の管理に属する
  5. 新設された公共施設用地は、管理者に帰属する
  6. 従前の宅地について存した地役権以外の権利(借地権など)は換地に移行する


地役権の取り扱い
  1. 従前の宅地について存した地役権は、換地となる新たな土地に移行せず、換地処分の公告があった日の翌日以降も、なお従前の宅地の上に存する。
  2. 土地区画整理事業の施行により行使する利益のなくなった地役権は、換地処分の公告があった日が終了したときに消滅する。


登記

  1. 施行者は、換地処分の公告があった場合、直ちにその区域を管轄する登記所に通知をしなければならない。
  2. 施行者は、施行地区内の土地・建物について事業の施行により変動があったときは、遅滞なく、その変動に係る登記を申請するか、嘱託しなければならない。
  3. 換地処分の公告があった日後においては、施行者による登記がされるまでは。原則として他の登記をすることができない。


まとめ:区画整理は長期事業

区画整理事業の開始から終了までは、20年~30年という長い期間が掛かります。
区画整理対象地域への不動産投資は避けた方が安全です。

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