資産運用の「常識」は間違いだらけ。投資信託・株式投資でカモられないために。

資産運用の3大常識

資産運用の常識としてよく語られるのが、

  1. 一つのかごに全部の卵を入れるな
  2. 老後資金として三千万円が必要
  3. 株式投資は長期保有が基本

というものです。

実際これら3つは、「販売者の都合」でしかないと私は考えています。
本記事では、資産運用の「常識」が間違っていることについて説明します。

(常識1)一つのかごに全部の卵を入れるな

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※出展:Growing Wallet

資産運用の初心者向け・入門用アドバイスとして、
「一つのかごに全部の卵を入れるな」
というものがあります。

例えば、

  • 日本株
  • 外国株
  • 日本国債
  • 外国国債
  • 実物資産

など、各種資産にお金を分散して投資しなさい、というものです。
タイミングをずらして何回かに分けて資産を購入することも、一種の分散投資です。

分散投資の利点は、資産購入後に大きく値下がりしても損失を最小限に抑えられる、という点です。

しかし、もしあなたが若くしてお金に余裕のある生活を実現したいのであれば、分散投資は真逆の方法です。
「得意分野に一点集中して投資する」以外に、豊かになる方法はありません。

分散投資で期待できる利回りは、せいぜい年3~4%

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※出展:On Vista

上のチャートは、代表的な国際分散投資指数の「MSCI(Morgan Stanley and Capital Group International)World」の15年チャートです。

2000年に基準価格1,200で購入して今も保有しているとすると、2015年時点では約1,800、15年で約50%上昇したことになります。
複利を無視して単利計算すると、年平均3.3%という利回りになります。

仮に1年間に50万円ずつ貯金して、平均して年間4%の利回りを出せたとしても、「老後資金として必要」と言われる三千万円を貯めるには、約30年が必要です。
(30年後の資産額:2,916万円)
※「複利効果」を加味した上での計算。

あなたが現在30歳だとすると、「老後資金」が貯まるのは60歳になった頃という計算になります。

分散投資はお金持ちのためのもの

分散投資は元々「今持っている資産を守る」ためのものです。
「株式会社」という仕組み自体が、植民地経営や大航海時代の貿易リスク分散のために生まれた制度であり、大金持ちの投資サークルのような意味合いを持っています。
株式投資を含む「分散投資」は、言ってしまえば「既に大金を持っている大金持ち向けの手法」です。

あなたが現在「大金持ち」ではないのであれば、お金を増やすための方法として「分散投資」は最適ではありません。
ふつうの人がお金を増やすための唯一の方法は、「一点集中」です。

「一点集中」する投資先は株式や投資信託などの金融商品に限らず、ビジネスや不動産なども考えられます。
いずれにしても、「一点集中」でお金を増やすためには、あなたが得意な「投資先」を見付けなければいけません。

仮に投資に失敗してしまったとしても、働いて貯めることでやり直しできる金額であれば、何度でも再挑戦できます。
挑戦を繰り返し、失敗から学ぶことができれば、投資で成功する可能性は確実に高まります。

(常識2)老後資金として三千万円が必要

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※出展:Financial Symmetry

「老後のために準備が必要なお金は3000万円余りです」

※出展:老後のお金はいくら準備すればいい? – OCN | マネー

「老後に掛かる生活費と、老後にもらえるお金のギャップは、約三千万円」
とよく言われます。

それでは、三千万円貯めることができれば老後も安泰なのかと言うと、そんなことはありません。
なぜなら「老後資金三千万円」の話には、

  • 60歳で定年退職し、65歳までは無収入
  • 年金を年間約300万円受け取ることができる
  • 妻との二人暮らし

上記のような前提が設定されているからです。
現在の若年層の状況は、上記モデルとは全く異なります。

「生涯現役」が当たり前になる

年金財政ボロボロの現状が続けば、「生涯現役」というスローガンのもと、政府は高齢者を死ぬ直前まで働かせようとするでしょう。
「働かざる者、食うべからず」の原則が、高齢者にまで押し付けられるかもしれません。

現在でも、定年退職してから年金支給開始までの間、仕事をしてお金を稼がなければ生活が成り立たない人が多数存在しています。
「老後は年金で悠々自適」などと考えている人がいたとしたら、残念ながらその人には悲惨な老後しか待っていないでしょう。

年金支給開始年齢の引き上げ

年金支給開始年齢が70歳や75歳に引き上げられる可能性も浮上しています。

厚生労働大臣が、老齢年金の受給開始年齢を本人の選択で遅らせることができる制度について、年齢の上限を現在の70歳から75歳まで引き上げることを検討する考えをNHKのテレビ番組で明らかにしました。

※出展:第4回 年金受給開始年齢が引き上げに!? 何歳から受け取る|保険市場

あなたが現在20代~30代だとしたら、高齢者になる頃には年金支給開始年齢は80歳、85歳になっているかもしれません。

年金支給額の引き下げ、単身者世帯の増加

以前の記事でも取り上げましたが、現在20代・30代の方は将来の年金受取額が月10万円未満になる可能性があります。

平均月収30万円のサラリーマン(単身者)が将来受け取れる年金の月額は、
35歳で95,307円
30歳で91,696円
25歳で88,755円

また、生涯未婚率は右肩上がりです。
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※出展:内閣府

単身者であれば支出も少なくなりますが、それ以上に奥さんの分の年金をもらえなくなるダメージの方が大きいです。
結婚している世帯であってもニートやパラサイトシングルを抱えてしまえば、老後の生活費は想定を超えて膨らんでしまいます。

人生は自分で決めるもの

上記で見てきたように、「老後資金として三千万円」という話は、現在の若年層には適用できません。
あなたが想定以上に長生きしたり、大きな出費を繰り返したりすれば、貯金はいずれなくなってしまいます。

重要なことは「老後資金を貯めること」ではなく、「毎月受け取れるお金を増やすこと」です。

毎月受け取れるお金が、毎月生きていくために必要なお金を上回る状況になれば、生活には困りません。
「老後のために今を生きる」のではなく、「会社に頼らず、毎月受け取れるお金を増やすこと」に力を注ぐ方が、よほど建設的な生き方ではないでしょうか。

(常識3)株式投資は長期保有が基本

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※出展:FSR-CPA

株式投資では、
「基本は長期保有で、買ったら忘れるぐらいの気持ちで」
というスタンスが望ましいとされています。

残念ながらこのスタンスは、

  • 1989~90年のバブル崩壊時に日本株に投資した人
  • 世界大恐慌の直前に投資して、株価回復を待てなかった人

には当てはまりません。

バブル崩壊時の日本株

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※出展:平均株価研究会 日経平均株価の長期相場

バブルの高値で日経平均インデックスファンドに投資した人が、2015年現在まで30年近く保有したとすると、資産価値は50%以上下落していることになります。
30年もファンドを保有していれば、信託報酬も数10%になるでしょう。

世界大恐慌時のアメリカ株

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※出展:アメリカの株価変動、1930年代世界恐慌時との比較

1929年の世界大恐慌の後、アメリカの平均株価が元に戻ったのは25年後の1954年でした。

(終値で)1929年9月3日の381.17まで回復するためには、1954年11月23日までの25年間を必要とした。

※出展:New York Times

この25年間の低迷期を耐えきれず、ほとんどの個人投資家が手持ちの株を処分したと思われます。
ニュースや新聞や職場で壊滅的な株式市場の話を何度も聴かされて、それでも株価の回復を待てるような精神的に強い人が、一体どれだけいたでしょう。

資産運用の「常識」は金融関係者の利益のため

「一つのかごに全部の卵を入れるな」は、さまざまな投資商品を購入させることで、手数料を多く取るため。または、運用コストの掛からないインデックスファンドをたくさん売るため。

「老後資金として三千万円が必要」は、長期的に金融商品を購入させ続け、何度も手数料を取るため。

「株式投資は保有期間が長いほど勝てる」は、信託報酬を何十年も支払わせるため。

このように考えると、金融関係者が資産運用の「常識」を大々的に宣伝してきた背景が見えてきます。

投資について勉強することは、投資で成功するためには必要不可欠です。
それでも、本に書いてあること、ネットに載っていること、テレビで言っていること、これらが正しいかどうかは検証してみなければ分かりません。

私が唯一、信じてもいいと思っている投資の格言は、経済学者ケインズによる以下のものです。

「長期的にはわれわれはすべて死んでいる(In the long run, we are all dead.)」

対立するいろいろな意見を検討して、あなたに合った資産運用の方法を見付けていただければと思います。

参考サイト

【インデックス投資に関する賛否】


【長期投資に関する賛否】


【外貨投資に関する賛否】


【金投資に関する賛否】


【不動産投資に関する賛否】


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コメント

  1. […] ある年にプラス10%みたいな感じになるはずです。(参考サイト 資産運用の「常識」は間違いだらけ。投資信託・株式投資でカモられないために http://simple.publicgoods.biz/doubt-common-sense/) […]