図書館に行った時にチラシを目にしたのがきっかけで、
「予算に応じた目的別 省エネリフォーム」in 札幌エルプラザに行って来ました。
物件のリフォームで参考になる話が聞けるかもしれません。
会場には、色々な企業の紹介ブースが準備されていて、ガイドブックやチラシのコーナーも。
講義の講師は、奈良建築環境設計室の奈良室長。
講義内容からいくつかピックアップします。
少額のリフォーム工事でも契約書を交わす
注文書・請書を契約書の代わりにする場合もあるが、
- 誰が(発注者)
- 誰に(受注者)
- いつまでに(工期)
- どのような工事を
- いくらで発注したのか(予算)
を第三者が後で見ても分かるようにしておくことが、のちのちのトラブルの予防になる。
知り合いや親せきに頼む場合や、少額のリフォームの場合、
「そこまでする必要はないか」
と思ってしまいがちだが、確実に契約書は作るように。見積もりの際も、現地を見てその場で費用を出すような業者さんはどうだろう。
帰ってからちゃんと試算してくれる業者さんの方が信用できる。信用と言う意味では、「北海道住宅リフォーム推進協議会」という団体に加盟している業者さんは少しは信用してもいいかもしれない。
暖房よりも断熱
北海道は、エネルギー消費の大部分が暖房利用だが、高性能の暖房を入れるより、高気密の断熱化工事をした方が効果が高い。
窓を一番に断熱すべし
窓は「冷却装置」。
熱の逃げ道は三つあり、
- 窓
- 換気
- 床・壁・天井
から均等に熱が逃げていく。
厚手のカーテンでもある程度窓の冷却効果は和らげることができるが、
「結露」はカーテンでは防げない。内窓が木枠の古い建具の場合、プラスチックに変えるだけでも効果は大きい。
気密は外窓ではなく、内窓でやるべき。
外窓では結露は防げない。内窓リフォームは、一か所約2~3万円。
滞在する時間が長い部屋や場所を優先的にやる。
外壁や屋根工事は、断熱工事のチャンス
外壁や屋根を張り替える時は、断熱工事も一緒にやると、別々にやるよりも安価にできる。
柱や土台の健康診断の意味でも、古い外壁や屋根は剥がす方がおすすめ。
「ヒートショック」対策としてのユニットバス工事
タイル張りの風呂をユニットに交換すると、断熱性が高まる。
心臓に負担の掛かる「ヒートショック」も避けることができる。
断熱性が高い風呂場は、ボイラーの燃料費も低くて済む。ユニットバスへの切り替え(断熱化)は、「我慢しないエコ」としてはおすすめ。
「断熱」は快適に暮らすため
省エネうんぬんよりも、温度差が少ない事による快適性。
15℃以下で数か月放っておくとカビる
使っていない部屋は、15℃以下になると、結露しやすくなる。
押し入れの布団などはカビてしまうので、注意。
エネルギーチェンジ
給湯や暖房を、ガスから灯油、灯油からオール電化、などのように変える事を「エネルギーチェンジ」と呼ぶ。
ボイラー類は10~15年で寿命が来るので、取り替えが必要になった時に最適な選択肢を選べばいいのでは。
今は各エネルギーの価格変動が激しいので、一概に決められない。
電気炊飯器は捨てましょう
ガスコンロで、土鍋等で炊飯した方が速いし美味いし電気代節約にもなる。
(ここから管理者注)
ちなみに私も飯ごうでガスコンロで飯を炊いていますが、炊飯器よりウマい気はします。
ただ、炊く前に1時間くらい水に漬けておいたり、
炊きあがってからも30分くらい蒸らしておいたり、
吹きこぼれを始末しなければいけない、という手間はあります。
【質問してみた】Q値やC値などは簡易計測できない?
質疑応答で、
「Q値(熱損失係数)」、「C値(相当隙間面積)」を、素人でも簡易に検査できる方法はありませんか?
という質問をしました。
即座に
「無いです(笑」
という回答でした。
ガイガーカウンターみたいに、廉価版の測定器とか出ていればと思ったのですが、まだそこまでの需要は無いようです。
Q値は、1.0以下を目指すと、窓を小さくしなければいけなくなってしまう、という事も仰っていました。
感想
予算が17万円~1500万円くらいまでと、ずいぶん幅のあるリフォーム工事の事例を紹介されていました。
あまり不動産投資のリフォームの参考にはならないかもしれない、というのが正直な感想です。
それでも、
家を大事に使わないといけないな、
とか、
入居者さんに快適に住んでもらうにはどんな点に注意すればいいか
などの気付きはあったように思います。